小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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雲ノムコウ

クラウド化する世界
  ニコラス・G・カー著 村上彩訳 翔泳社


最近、よく聞く言葉の「クラウド」。
この本では前半はクラウドについての解説。後半はクラウドとは直接関係のない、インターネットについての考察という構成になっています。

この本では、クラウドを発電になぞらえて説明していきます。
企業(メーカー)は、最初の頃は、自前の発電施設を持っていたが、発電施設はやがて、それのみ独立して社会のインフラとなっていった。
パソコンも今は、CPUや記憶媒体は、自前で持っているが、電気と同じようにそれのみを供給する部分と利用する部分が完全に分かれて、供給する部分は、社会のインフラとなるだろう、と言っています。

今、企業で使われ始めているシンクライアントが一般にも広まっていくだろう、ということですね。
ただ、ここで大前提となるのが、ネットワークの信頼性とセキュリティの確保。

ADSLのように「最大でXXM。努力はするけど、ここまでスピードが出なくても文句は言わないでね」というようなものでは、話にならないでしょう。
電気に言い換えれば、「最大でXXA。努力はするけど、ここまでアンペア数が出なくても文句は言わないでね」ということですから。
ネットワークもつながっていることが当たり前。つながらなくなったら即座に回復措置が取られるというようになることが必要となります。(電気で言えば、停電の対応になりますか)

それからネットワークの向こう側で、自分の写真や音楽を覗いている人がいるとしたら気味が悪いと感じるでしょう。企業のデータなら気味が悪いどころの話ではないですね。
外からの侵入者が覗き見るのを防ぐのはもちろんですが、CPUや記憶媒体を供給している側も覗きみていない、という保証が必要になるでしょう。

この本で感心したのが、ネットワークの信頼性アップとセキュリティの確保ができたらバラ色の未来が開けているとしていないところ。
ネットの長所と短所について後半で述べています。

普段、自分でもうっすらと感じていたことをこの本でも指摘していました。
それは「ネットに頼りきると、人は深く考えることをしなくなるのでは」ということ。

少し検索すれば、広い知識を得られる代わりに、その知識は「浅い」
この本のいい所は、むしろ後半の方にあるのでは?と思いました。

2009/03/30 ちょっと追加
後半でも述べられていることですが、ネットの中でも人は、似た意見の持ち主同士が集まりやすいそうです。
またネットでは、結論が極端になりやすい、と書かれています。
似た意見の者同士が集まり、議論していく上で、顔が見えていない分、極端な結論になりやすいのでしょう。

NHKで、ネットと新聞の関係というのをテーマとした番組があり、その中で「ネットは多種多様な意見が見られる・・・」と言っている人がいましたが、それは幻想に近い・・・とは言いすぎかもしれませんが、かなり意識していないと、議論の流れに呑み込まれてしまうのでしょう。

ネットは良くも悪くも願望の増幅装置ということなのだと思います。
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