小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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ネッシーは生き延びることができるか?

ネッシーに学ぶ生態系 花里 孝之  岩波書店

ネッシーは、いるかいないかの話ではなく、ネッシーをダシにして生態系の
解説をする本。
(似たような本では、ファラデーの「ロウソクの科学」や寺田寅彦の「茶碗の
湯」が思い出される)
とは言っても、ネッシーについての話は、マクラでしかない。

ネッシーを海にいたプレシオサウルスと仮定して、ネス湖は、ネッシーを
養えるか(十分なエサがあるか)を検証してみると、養えなくはないが、
固体数を一定以上に保つには、ほど遠い頭数でしかない、という結果になる。

これと同じ方法で「日本列島に住む日本人は生きていけるか」を考えて
みると、結論は「否」。
今の人口の三分の一しか生きていけない計算になるという。

が、現実には、我々は普通に生活している。
矛盾の原因は「日本の自然植生の生産量だけ」という前提で
計算していたため。

つまり、不足分の食糧を外国から輸入したり、生産効率のいい
農作物を作って、今の人口を養っているのだ。
環境問題が深刻になってきたので、「昔の生活に戻ろう」は、
もはや通用しない、ということになる。

その後、湖のアオコ退治や魚の放流、ハクチョウへのエサやりを
例にとり、生態系のバランスについての話を展開していく。
大切なのは、「人間にとっていいこと」は、必ずしも「他の生き物に
とっていいこと」ではない、ということ。
例えば、「水が澄んでいる湖」は、人間にとってはいいことだが、
言い換えれば、「(魚の)エサが少ない」ということであり、魚に
とっては、ありがたくない環境である。

今の環境についての議論では、このような視点が抜け落ちている
ことが多いような気がする。

2009/04/25(土)の朝日新聞「be」に「エコはファッションでいい」
という見出しの記事がある。
「広まる」という点だけを考えれば、いいかもしれないが、「よかれと
思って、逆効果」ばかりする人たちを増殖させてしまうのではない
だろうか。
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