小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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裁判官だって人間だもの

「裁判官の爆笑お言葉集」
 長嶺 超輝  幻冬舎新書


裁判所というのは検事と弁護士が喧々諤々やった後に裁判官が淡々と判決を述べる、
そんなイメージがある。

が、裁判官といえども人間。
時には、判決の片隅にその人の気持ちが見え隠れする。

その言葉が世間一般の人とずれていることもあれば、さすがは裁判官、と思わず
唸るような言葉もある。
本のタイトルには「爆笑」とあるが、取り上げられたものの中で一般的な常識と
ずれているのでは、と思ったものはごくわずか。

大抵の場合は、被告・原告の様々な人間模様を見ているだけに思わず、なるほど、
と思うような言葉である。
エセ宗教の教主には、どちらが宗教家かわからないくらい道徳的な言葉を浴びせ
かけていたりして、そのような意味では「爆笑」できる。

例えば、「産業廃棄物以下だ」などという、ものすごい怒りの言葉が飛び出すし、
「いかなる立派な人でも、例えば万引きすれば関係なく罪に問われます。
人ではなく、行為を裁くのです」と思わず唸ってしまう一言も。
「今、この場で子供を抱きなさい。わが子の顔を見て、二度と覚せい剤を使わない
と誓えますか」という言葉はドラマの熱血教師みたい。

そんな裁判官でもやはり迷うところがあるのが、死刑に関わる部分。
「死刑はやむをえないが、私としては、君にはできるだけ長く生きていてもらいたい」
ここだけ取り出すと矛盾しているが、遺族に謝罪を続けていってほしい、
という意図をこめてのこと。

裁判員制度が始まった以上、死刑という判決が出るケースもあるわけで、
自分がそういう立場に置かれた場合、果たして結論が出せるか自信はない。
いろいろな事件をさんざん目にしている裁判官でさえ迷うのに・・・



いろいろな裁判官の言葉が出ているが、一番印象に残ったのは、次のエピソード。
2人の子供を持ち、家出した夫の借金まで抱え込んだため、生活苦から万引きを
繰り返した母親へ一言。

「もうやったらあかんで。がんばりや」

きれいにまとめたわけでもない、単純な言葉。
それだけに裁判官の気持ちがストレートに伝わってくる。

こう言われた被告人は、その場に泣き崩れたそうだが、読んでる方もちょっと
あぶなかった。
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