小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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酒だ!酒持って来~い!

『酒池肉林 中国の贅沢三昧』
  井波律子  講談社現代新書


酒池肉林とは、贅沢を極めた酒宴の事。
殷の紂王が”池に酒をたたえ、林に肉をかけて酒宴を張った”
という故事から出来た言葉。

中国の皇帝、貴族、大商人の贅沢というか、バカ騒ぎについて
の研究である。
たしか出版当初、新書の中では、指折りのベストセラーになった
というのを記憶している。

意外だが、皇帝の贅沢というのは、物量作戦ばかりで面白味
には欠けるそうだ。
食べ物ならば、その量が、建築ならば、その規模が尋常で
なかったりするが、つまるところ「量」でしかないらしい。

例外は、秦の始皇帝と隋の煬帝の二人。

始皇帝は、不老不死の薬を巡るドタバタが、隋の煬帝は、巨大
運河をたくさん作って、思いがけず後世の役にたったという点
が特徴的なのだ。


これに対して、貴族の贅沢というのは少し趣きが変わってくる。
乾飯を燃料にして釜を炊いたり、人の乳で育てた豚の料理を出し
たりなど、「量」だけでなくなりつつある。(まだ「質」とは言
えないが・・・)
とはいえ、貴族達の贅沢は次第に、”書”や”画”などの芸術の
方向に向かっていく。

そして、大商人達の贅沢は、最初の頃は所謂「成金趣味」であり、
皇帝の贅沢の縮小版であるが、商業が発達するにつれて、貴族の
贅沢に近づいていく。


皇帝にしろ、貴族にしろ、大商人にしろ、贅沢三昧にふける時期
というのが共通しているのが面白い。

その時期というのは、「自身の滅びの直前」

将来に対する不安を感じている人間が権力と財力を持っている時、
その不安を忘れるために「後世に語り継がれるバカ騒ぎ」に
ふけるものらしい。

権力も財力もない自分は、酒を飲んで管を巻く程度の事しかする
ことはないだろう。
だが、この本に出てきた人物達の中には、バカ騒ぎの向こうに
「芸術」を見つけた人もいる。
こういう人たちのような事ができるだろうか。
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