小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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同じ釜の飯を食う

ナショナルジオグラフィック
 2014年12月号


今年、シリーズ連載をしていた「90億人の食」も今回が最終回。

それに関連する記事で、わずか2ページの記事だが、「行き渡らない世界の食料」という記事が印象に残った。

世界で生産されている農産物をカロリーで換算して合計すれば、食料は十分足りているはず、という事になる。

が、現実は、その逆。
食料を消費者の所まで届ける道路や、食料を長期保存するインフラが整備されていなかったり、天災で破壊されてしまったりしているケースや、食料を買うだけの収入がないケースなど様々。

記事には栄養不足の人口比率が一目で分かる世界地図が載っている。
それを見ると、飢えている人の比率が高い地域が集中しているのはアフリカの諸国。
中には「データなし」という国さえある。

天災が原因であるなら、一時的なものと、なんとか納得もできるが、人為的要因(要するに政治家の都合による無策)には、やりきれなさを感じる。
国などというものは、そこに住む人がいなければ成り立たないのに、その人々を大事にできないのは、自分で自分の家の大黒柱にノコギリをいれているようなものとしか思えない。

ところで、「90億人の食」の連載の方は、今回は「"食べる"は喜び」がテーマ。
これまで重いテーマばかりだったのだが、最終回は一転して、明るいテーマの記事となっている。

「共に作り、共に食べる」という行為は、ただの準備と食事、という事以上の意味を持っている。

言われてみれば、これほど当たり前の事はない。
が、「あの店の○○がおいしい」「○×店の□□はイマイチ」とか言っていると忘れがちな事でもある。

「作る」というほどでもないが、大勢で鍋をつついていたりすると、その場限りだとしても、なんとなく仲間意識が芽生えたりする。
バーベキューなら、もっと顕著になるだろう。
(幹事はやりたくないが・・・)

サミットなどの時も、高級料理を並べるより、鍋かバーベキューでもやった後に話し合いをすれば、スムーズに進むのでは?という気がしないでもない。
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操り人形

ナショナルジオグラフィック
 2014年11月号

印象に残った記事は次の5つ。

・心を操る寄生体
他の生物に寄生して、その行動を支配する寄生体。

例えば、昆虫に寄生する寄生体が、次の成長段階では鳥の体内でしか生きられないため、宿主の昆虫の行動をコントロールし、目立つ所に移動させ、鳥に食べさせる、といった行動をする。
宿主は死ぬが、寄生体は、まんまと鳥の体内に移り住む。

ホラー映画のようだが、現実に存在する生き物である。

寄生までなら分かるが、宿主の行動すら支配する、というのはコワイ。
しかも宿主の体を出た後、繭を作って、その繭を宿主に「ボディガード」をさせる寄生体もいる、というのだから、なおさらコワイ。

寄生体にしてみれば、生き残るために獲得した「力」なのだが、一体、何をきっかけに、そういう方法を身につけたのか聞けるものなら、聞いてみたい。
いや、やはり聞けても、聞かない方がいいか・・・。

・肉を食べるジレンマ
「90億人の食」シリーズの第7回。
今回は、この先、いつまで肉を食べられるのだろうか、という話。

世界各国で経済が発展すると、肉の需要が高まる傾向がある。
が、肉は飼料などが大量に必要なため、効率という観点から見ると非常に効率が悪い。(特に牛肉)

世界人口が90億人を超えると予想される2050年には人間の食料と家畜の飼料を確保するために、現在の2倍の作物が必要になる、という。

では、肉を食べるのを止めて、家畜の飼料になる分を人間の食料に回るようにしよう、と思っても、事は、そう単純ではないらしい。
主要穀物は小麦をコメであるのに対し、主な飼料はトウモロコシだから、という事のようだ。

他にも牛のゲップによるメタンガスの増加や、放牧地への薬剤散布など、環境への負荷というのもあって、「肉食」には批判も多いらしい。

批判の中には「残酷」とかいうものもあるらしい。
だが、そんな事を言い始めたら、行き着く先は、水すら飲めなくなるのでは?という気がする。

結局のところ、記事のタイトルの通り「ジレンマ」を書いているだけだが、それだけに、この話の根深さが分かる。
少なくとも、「肉食」を目の敵にする事だけは違う、と言える。

・捨てられる食べ物
「90億人の食」シリーズの第8回。
同じ号に同じシリーズの記事が2つ載る、というのは初めて見た気がする。

発展途上国では食べ物を長期保存するインフラが普及していないため、先進国では売れ残り、食べ残しにより、まだ食べられる食べ物が捨てられている。
個人的には、どちらかというと後者の方がより罪深いと気がする。
しかも、そう考えた場合、「罪」の片棒を担いでいる中に自分も含まれてくる。

スーパーで食品を買う場合、「賞味期限」を気にしすぎてはいないか?
同じものでも「賞味期限」が近いものと、まだ先のもの(=より新鮮なもの)があったら、どっちを買うか?

より新鮮なものを選ぶのは人情だが、皆がそれを求めると店側は過剰に対応しようとする。
逆に考えると、まだ食べられるものが売れにくくなり、店側は安売りするか、廃棄するしかなくなくなる。

この記事の別枠として、日本の食品ロスについての記事もあり、この辺りの事が詳しく書かれているが、この中の「日本人は(食品の)見た目を重視しすぎているのかもしれない。」という言葉がグサリと突き刺さる。

・悲しみのエベレスト
2014年4月18日、エベレストで大規模な雪崩が発生。
登山中の16人が死亡し、8人が負傷、というエベレスト登山史で最悪の事故となった。

この事故の影響で、日本テレビの番組で、イモトアヤコがエベレスト登頂チャレンジをしていたのだが、断念せざるを得なくなり、そちらで知っている人も多いと思う。

この記事では、その事故の様子が詳しく書かれているが、一つひっかかったのが、事故後の政府の態度。

ネパールの文化・観光・民間航空省は、すぐに登山活動を再開させようとしたのだ。
(記事によるとネパール政府はエベレストの登山料だけで年間、約3億円の収入になり、経済効果は推定で15億円を超すと言われている。)
一方、登山者のサポートを行うシェルパ達は、少なくとも今シーズンは仕事に戻りたくない、と主張。
(遺族に支払われた補償金が低すぎ、葬儀代もまかなえなかった事も一因)

政府は「すぐ再開」といきまいているが、現場は猛反対。
あら不思議、この構図、どこかで見た事があるような気がするのは気のせいか。

・モロッコのサル
アフリカ大陸のサハラ砂漠より北にある中央アトラス山脈の高地に住むサル、バーバリーマカク。
外見は、ニホンザルに似ている。

特徴はオスザルが子ザルを"だし"にして、他のオスザルとの友好関係を築く、という点。
子ザルの姿を目にすると恐怖を忘れてしまうそうだ。
それは人間がバーバリーマカクの子ザルを連れている場合でも同じらしい。

今回、ハードな内容や重い内容の記事が多かったので、このサルの記事でホッとした。

品種改良

ナショナルジオグラフィック
 2014年10月号


印象に残った記事は次の3つ。

・次世代の緑の革命
90億人の食シリーズ第6回。
今回は遺伝子組み換え技術や、従来の手法による品種改良の話。

2050年までに食料生産をさらに増やしていくために、1940年~1960年の作物の品種改良や化学肥料の大量投入による「緑の革命」をもう一度、起こす必要がある、という。
そして、その中で、重要になってくるのが遺伝子組み換え技術。

遺伝子組み換え、と聞くと、今はなんともなくても、何十年も経った後に、「実は有害でした」とか言い出すことがあるかもしれな、というイメージがある。(あくまで個人的なイメージ)
そのため、食べずに済むなら、食べたくない、というのがホントのところ。
が、だんだん無視できなくなってくる、という気がする。

それに記事の中でひっかかったのが、遺伝子組み換え作物を開発した会社と農家の関係。
農民は会社との契約で翌年の作付け用に種子を採取できず、毎年、会社から種子を購入しなければならない、という。
また、この会社は自社製品の除草剤に耐性を持つ作物を開発したらしい。

いい商品を作って、利益をもらい、存続していく、という企業の姿からすれば、正しい行動だが、これがどんな意味を持つことか、という点を考えると、遺伝子組み換え技術、というのは、一体、何のための技術なのか、という疑問が湧いてくる。

・スピノサウルス
白亜紀に生きていたと考えられている恐竜、スピノサウルス。
その恐竜の全身を復元しようとしている研究者の話。

背中に大きな帆をつけたような恐竜は、子供の頃、読んだ恐竜の本で出てきたような、出てこなかったような、という印象しかなかった。
(もしかしたら記憶違いかもしれない)

個人的には、その程度の印象しか持っていなかった恐竜だが、肉食恐竜ビッグ3に数えられている、と書いてあったので驚いた。
小学校の頃の友達(それもほとんど忘れかけている)が、突如、有名人になったような感じだった・・・。

・原発事故の現場を訪ねる
チェルノブイリ原発事故跡の見学ツアーの話。

1986年、旧ソビエトで起きたチェルノブイリ原発の爆発事故。
その事故が起きた地域を見学するツアーが2011年から始まったそうだ。
(記者も書いているが、よりによって2011年・・・)

自分の中では、チェルノブイリ原発事故は、まだ「歴史」になっていないので、ツアーに対しては反感しか感じない。
しかも記事を読む限り、興味本位で参加している人も少なくないように見受けられるので、なおさら。

ただ、この記事の中でズシリとくるのは「帰郷者」と呼ばれる人々の存在。

住み慣れた土地で暮らしたい、と放射能の危険性を承知の上で、戻ってきて、暮らしている高齢者が少なくない、という。
(たしか「もの食う人々」(辺見庸)でも、「帰郷者」は紹介されていた。)

この意味だけを考えても、見学ツアーを始める神経が理解できない。

食生活は健康ですか?

ナショナルジオグラフィック
 2014年9月号


印象に残った記事は次の3つ。

・写真は語る  星夜の地球 心が震える瞬間
高砂淳二氏による世界各国の夜の風景の写真。

満天の星空にモアイのシルエットが浮かぶ光景、
オーロラが湖面を染める風景、
夜の虹、などなど。

ナショナルジオグラフィックらしい記事。ただ、ただ写真に見入ってしまう。
夜の虹は、一度でいいから見てみたい、と思う。

・食べ物と人類の進化
「90億人の食」シリーズの第5回。今回は「食生活」についての話。

米国では「パレオダイエット」もしくは「原始人食」と呼ばれる食事法が話題になっているらしい。
なんでも、脂肪分の少ない肉と魚をたっぷり食べ、乳製品や豆類、穀物を避けるようにするのだとか。

世界各地に残る狩猟採集民の食習慣を調べ、彼らの73%が摂取カロリーの半分以上を肉からとっている、というのが根拠らしい。

記事の中では、チラリと紹介されているだけなので、本当はもっと根拠があるのかもしれないが、これだけを読むと、日本でもよくある「○○だけを食べる(または行う)ダイエット」と大した違いはなさそうだ。
ただし、この食事法を批判するのが、この記事の主眼ではない。

世界中で、暮らしが豊かになるにつれて、伝統的な食生活が廃れ、肉類を中心とした食生活に画一化されていく傾向がある、という。
資源の面(牛一頭を育てるために必要な飼料の量)を考えても、効率的ではないが、それ以上に肉類を中心とした食生活が全ての人にとって、健康にいいかは疑問。

健康を考えた場合、伝統的な食生活の方がいいのだろう。
が、たまには毛色の違った食べ物を食べたい、という気持ちがあるのも事実。

「食生活」となると、"いい"、"悪い"と一概に言えないのが悩ましい。

・暴君ネロ 明かされる真実
ローマ皇帝ネロ、と聞くと、反射的に「暴君」という言葉が連想される。
「暴君」とされる人物は嫌われ者が多いが、ネロは、なぜか人気者。

治世の前半は善政をしいたが、後半は正反対の方向に走った、という二面性があるからだろうか。

ネロの「暴君」のイメージは、敵対勢力の宣伝にもよるらしいが、それがなくても、(当時としては)かなり「独特のセンス」を持っていた人らしい。
「皇帝」ではなく、「芸術家」であったなら、いい意味での評判がもっと今に伝わっていたかもしれない。

独特すぎて、誰にも理解されなかったかもしれないが・・・。

先進国の「飢餓」

ナショナルジオグラフィック
 2014年 8月号


印象に残った記事は次の3つ。

・ストーンヘンジの原点 最果ての巨石文明

記事の表紙が非常に印象的。

巨大な石の建造物群
「リング・オブ・ブロッカー」
「ネス・オブ・ブロッカー」
「ストーンズ・オブ・ステネス」

巨大墳墓「メイズハウ」

英国の北のはずれ、オークニー諸島に存在する遺跡群。

今の感覚で考えてしまうと、なぜそんな辺鄙な所に?と思ってしまうような場所にある。
が、研究者の話によると、当時のオークニー諸島は「辺鄙な場所」などではなく、「交通の要衝」だったらしい。

「新石器時代」という言葉から想像する暮らしぶりより、はるかにいい暮らしをしていたようだ。

・米国に広がる新たな飢餓
「90億人の食」シリーズの第4回。
米国では、定職があっても、十分な食事をとれない人が増えている、という。
正直、最初「?」という感じがした。

記事をよく読むと、定職があっても賃金の低下で、仕事を掛け持ちする等の事をして、結果、食事を作る時間がなく、出来合いのものを買うしかないためだという。

掛け持ちする仕事がない場合は、フードバンク(包装の傷みなどで、品質に問題がないにもかかわらず市場で流通出来なくなった食品を、企業から寄附を受け生活困窮者などに配給する活動およびその活動を行う団体)で手に入れる。
が、そういった所から手に入る食品は、えてして高カロリーで、低栄養のものが多い。
そのため、「太っているのに栄養失調」という皮肉な状態になっている。

また、自宅から半径800メートル圏内にスーパーがなく、貧困や病気、高齢などの理由で車も所有しておらず、公共交通機関も利用できない「食の砂漠」と呼ばれる地域に暮らす人も多いらしい。
(その代わり、ファストフードの店は軒を連ねている。)

これが「世界のリーダー(自称)」の内実なのか、と愕然とする。

「ワーキング・プア」という言葉が市民権を得て、久しい。
日本でも同じ事が起きている(または今後、起きてくる)のだろう。

・ゴンベ 森の家族たち
霊長類学者、ジェーン・グドールへのインタビュー記事。
タンザニアのゴンベ国立公園のチンパンジーの話をする様子は、まるで親戚の人の思い出話をしているかのよう。

ジェーン・グドールが観察していたチンパンジーの群れの代表的メンバーの顔写真も掲載されている。
それぞれ顔つきが異なるのは分かるが、自分はパッと見ただけでは区別できない。

それを事も無げに語る様子を見ると、どれだけチンパンジーを熱心に観察していたかが、よく分かる。

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