小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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栄光なき天才たち

「早すぎた発見、忘られし論文」
  大江 秀房  講談社ブルーバックス

その昔、「栄光なき天才たち」(作:伊藤智義 画:森田信吾)というマンガが
好きだった。

生前は注目を浴びなかったが、死後に再評価されるようになった科学者、スポー
ツ選手、実業家などを描いたマンガである。
それぞれの話の結末は悲しいが、どこか暖かさも漂わせていた。これは作者の
登場人物への愛情の為せる技であろうか。

「早すぎた発見、忘られし論文」は、そのブルーバックス版とでもいうべきもの。

登場するのは、次の10人。
 ・アボガドロ数を提唱したアボガドロ。
 ・遺伝の法則のメンデル
 ・万有引力定数を測定したキャベンディッシュ。
 ・群論のガロア
 ・カオス理論のポアンカレ
 ・大陸移動説のウェゲナー
 ・イオン電離説のアレニウス
 ・ロケット工学のツィオルコフスキー
 ・熱力学のギブズ
 ・5次方程式についてや楕円関数のアーベル

このうち、メンデル・ガロア・ツィオルコフスキー・アーベルは「栄光なき天才たち」
でも取り上げられている。
しかもこの4人のエピソードは「栄光なき天才たち」の中でも特に好きな話だった
だけに冷静には読めなかった。

彼らが唱えた説は、当時の常識と反していたり、発表の場が地域限定だったり、
本職の科学者でなかったため、批判されたり、無視されたり(もしくは気づか
れなかった)したが、それでも自説を曲げなかったのは何故なのだろう。


以降、私見だが、まず第一には「変わり者」だったから。
新発見や通説と反するような事を唱えるくらいであるから、少なくとも「常識人」
ではない。
そして、最大の理由は「自分の研究が楽しくてしょうがないから」。

「第1発見者」という問題があるので、一応、世間に発表はしている。
だが、本人達は、その名誉よりも、自分の発見により、開けてくる世界の方に
関心が向いていたのではないだろうか。
だから、無視や批判されても「何やっているんだ。先に行くよ」という気持ちで
いたのだと思う。


ところで「栄光なき天才たち」を読んだ時にも思ったが、「天才」とは何だろう。
(最近、テレビでは「秀才」と同じような意味で使われているようだ)
自分の解釈では「才能の奇形」なのだと思う。「天才」というのは、単にそれを
響きのいい言葉にしたものだと思っている。

何かの能力が欠けているので、欠けた能力を補うために別の才能が異常に発達
したのが、「天才」なのだろう。
これに対し「凡人」というのは、言い換えれば「才能のバランスのとれた人間」
という事であって、この意味では、自分は「凡人」の方がいい。


ただの「ヒガミ」だ、というツッコミはしないように。
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