小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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超新星 始末記

ドキュメント 超新星爆発 400年目の大事件
 岩波書店


去年の暮、電車の中で見かけた、雑誌「ニュートン」の
広告には、「スーパーノヴァ、ブラックホール」の文字
が大きく載っていた。
昔から、こういう話題には興味があったので、買ってみる
ことに。

記事を読み、昔、読んだこの本の事を思い出したので、
早速、amazon で調べてみると古本で1円から入手可能
なので、即購入。

その後、少しすると「ベテルギウスに超新星爆発の予兆」
というニュースが・・・

こういう事は、時々あるが、これに「実際に超新星爆発」
というニュースは続かないで欲しい。
いや、実際は続いても構わないのだが、地球に影響ない
かぎりで、という前提付きだ。


この本は1987年2月23日、大マゼラン雲に超新星が
出現した時の科学者達のドタバタぶりを記したものである。

なぜかというと、肉眼で見える超新星が観測されたのは、
1604年。観測機器などが整備されてからは、初めて、
超新星が観測される事になったからだ。

皮肉な事に大きな望遠鏡を使っている専門家は、遠くに
ある天体をピンポイントで観測していたため、超新星に
気がつかなかった。
代わりに天文台に住み込みの観測助手が誰も使わない
のでホコリをかぶっていたような小さな望遠鏡(遠くは
見えないが、空の広い範囲を観測できる)を自分で修理
して、観測した時に超新星に気がついたのだ。

この突然のニュースに天文学者の研究生活は一変して
しまった。
超新星もしくはそれに関わる事が専門の人は大喜び、
あまり関わらない人は自分の観測時間の何割かを強制的
に超新星観測に充てなくてはならず、不満タラタラ。
(が、そんな人ほど精度の高い観測をしていた、という)

著者の夫は、超新星が専門の天文学者で、狂喜乱舞した
クチだが、同時に突然、忙しくなってしまい、ろくに家
にも帰れなくなる。
著者は、その時の事を「まるで未亡人」と言っていたが、
これを逆手にとって、「超新星騒動記を書いてやれ」と
思い、この本が書かれることになった。


超新星の発見がもたらしたものは、科学上の発見に
とどまらない。
それまで、天文学者同士の間でさえ、専門が異なると
話が合わない事が多く、人の交流も少なかったのだが、
超新星をきっかけに天文学者同士で話をする機会が
増え、人のネットワークもできたらしい。

また、各地の観測施設そのものも予算の獲得に苦心
しており、この超新星の出現は、存在意義のアピール
の絶好の機会となった。
ある意味、救世主の出現にも等しく思えたほどだという。

それは日本のカミオカンデも例外ではなく、この時、
ニュートリノを検出したために、これより大規模な
スーパーカミオカンデの建設も可能になった。
小柴昌俊教授のノーベル賞の受賞もこれがなければ
どうなっていたことやら・・・


科学以外にもいろいろな影響を与えた超新星。
冒頭でも触れたが、今度はベテルギウスに超新星爆発
の予兆がある。ニュースによると「爆発は明日かも
しれないし、数万年後かもしれない」という。

もしベテルギウスが超新星爆発を起こしたら、今度は
どんな変化をもたらすだろうか。
(ガンマ線バーストで地球上の生物、ほぼ全滅、
 という変化だけにはなってほしくないが)
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