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二大変人対決 

「虫眼とアニ眼」
  宮崎駿 養老孟司 新潮文庫


1997, 1998, 2001 年に行われた宮崎駿と養老孟司の3回の対談を
まとめたもの。

冒頭に宮崎駿自身による自分の考える理想の街並みのイラストが
掲載されている。
この中にある「理想の保育園」については、完全にではないが、
イラストに描かれた内容に近い実際の保育園を作成している。
その様子は、テレビでも放送された事があるので、見た事がある
人も多いだろう。

また、イラストの中の風景にある「保育園と地つづきの老人ホーム」
は、「崖の上のポニョ」に登場しているし、その他のイラストも
どこか宮崎作品の中で見たような景色が多い。

宮崎駿と養老孟司の二人はおそらく似た者同士なのだろう。
それは本人達も感じていて、本の中でも「これで対談が成り立つのか」
とお互い言い合うほどだ。

どちらも本人は好き勝手な事をやっているのだが、世間一般からは、
ちょっとした変わり者というか世間一般の人とは少し違った価値観の
人間、というような扱いだ。
だが、そんな事を直接言ったら、「ちょっと変なのは、世間一般の方
ではないか」と口を揃えて言うだろう。


対談の中で印象に残ったのは、今の子供(若者含む)は生きていくため
の力が弱い(もしくは欠けている)という事。
情報は掃いて捨てるほどあるが、実際の体験はしていない。
「ナイフで鉛筆を削る方法」はHP等で知っているが、やった事はない
(というか大人がやらせない)
まして手許が狂って、指を切った時の痛さなどは論外。
平たく言えば、頭でっかち、ということだ。

だが、この事は、子供だけの話でもないと思う。程度の大小の違いこそ
あれ、全体的な傾向なのだろう。
せいぜい思い出した時だけでも時代に逆らうような事を言ってやろうか、
と思ったりする。


”「お先真っ暗」でいいじゃないですか。だからこの世は面白いんですよ”
対談の中で、養老孟司が言った言葉である。一番印象に残った言葉が
これだった。
この境地に辿り着けるだろうか。
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カテゴリ: 対談集

テーマ: 読書感想 - ジャンル: 本・雑誌

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