小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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マンガになりましたよ、ファインマンさん

マンガ はじめまして ファインマン先生
 原作 ジム・オッタヴィアニ
 漫画 リーランド・マイリック
 訳  大貫昌子
  ブルーバックス



リチャード・P・ファインマン。
1965年、ジュリアン・S・シュウィンガー、朝永振一郎とともにノーベル物理学賞を共同受賞した科学者。
超一流の科学者であると同時に、周囲の人達からは「いくつになっても"イタズラ小僧"のようなところがある人だった」と言われていた。

その人物の生涯をマンガ化したもの。

「ご冗談でしょう、ファインマンさん」
「困ります、ファインマンさん」
「聞かせてよ、ファインマンさん」
「ファインマンさん、最後の冒険」
「科学は不確かだ!」
「ファインマンさんは超天才」
 :
など、一般向けの「ファインマンさんシリーズ」を全て読んだ人にとって、本書はそれらをまとめたダイジェスト版のように感じられる。

逆に「ファインマンさんシリーズ」を読んだ事がない人には「入門編」にあたるだろう。
興味を持ったら、本の方も読むといいかもしれない。
(本書のどのエピソードがどの本に収められているかまでは分からないが・・・)

軽いエピソードの集まりばかりというわけでもなく、「量子電磁力学(光と電子の相互作用の理論)」の説明は、かなり難しかった。
・・・というより、分からなかった。
ただ、この部分が分からなくても、全体に影響はない。

印象に残ったのは本書の後半の方の2つのエピソード。

一つは、ロスアラモスで原爆製造の研究団の一員だった頃を振り返った時のセリフ。
「変化する情況の中で、僕らは何かをやる理由を絶えず考え直すべきだということ」

そもそもアメリカが原爆製造に着手したのは当時のナチスドイツが原爆を作りかねないためだった。
だが、ナチスドイツが降伏した後も原爆製造は続けられる。
これは本当に続ける必要があったのか、という問いを発した者はごくわずか。
(当時、日本も原爆製造の研究を進めていたそうだが・・・)

コロコロ変わっても困るだろうが、頑ななまでに「既に決まった事だから」と聞く耳持たない態度の人をどこかで見た気がする。

もう一つは「スペースシャトル チャレンジャー号 爆発事故調査委員会」の話の中で、事故の背景として浮かび上がった事実。

「スペースシャトルは安全である」
と言い続けたいNASA上層部と、
「そんな事はない。一度、完全に点検しろ!」
と突き上げる現場。
現場の声は上層に上がっていくに従って、どこかへ消えてしまっていた。

「絶対安全」と言い続けていたくせに、ある天災がきっかけで、その「大ウソ」がばれてしまった会社(国もだが)と姿が一部、重なって見えた。
ただし、こちらの方がはるかに病んでいたが・・・。
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