小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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金次第

傭兵の二千年史
 菊池良生
  講談社現代新書


傭兵。お金で雇われた兵隊。

「売春」が世界最古の職業ならば、「傭兵」は世界で2番目に古い職業かもしれない、という記述で始まる本書。
ナショナリズムとは無縁の傭兵の歴史を見る事で、逆説的にナショナリズムの成立の仕組みを探っていこうとしている、と謳っている。

が、最終的に「ナショナリズムの成立の仕組み」として、持ち出されるのは「外国の脅威」
間違いではないと思うが、それだけ?という気もする。
なんとなく、でしかないが、今一歩、迫りきれていない、という印象を受ける。

ただ、「傭兵の歴史」の方は面白い。
「傭兵」と聞くと、「戦闘のプロ」という印象を受けるが、(特に初期は)食い詰めた人が武器を持って寄り集まった集団。
「雇い主」がいれば「傭兵」だが、いなければ「盗賊」
元を正せば、どこの馬の骨とも分からないのに、「ナントカ騎士団」とか、宗教的な「箔」をつけたりする。

また、リーダーに経営者的な能力がなければ、たちまち飢えてしまうので、その組織は、わりと民主主義的だったりするのが意外と言えば意外。

それにしても、中世のヨーロッパの傭兵団は、やることがムチャクチャ。
無理矢理、徴兵したり、「雇い主」からもらった特例を拡大解釈しまくって、勝手に税金を取ったり・・・。
まさに「盗賊」

もっとも「雇い主」の方も、傭兵団を雇って、戦わせるだけ戦わせておきながら、給料の支払いを渋るとかいう事を平然とやったりするので、どっちもどっち、という感じはする。

やがて、近代に近づくにつれて、「規律」が重要視されるようになる。
組織的に動くために日頃から訓練を行わねばならず、それには「一時雇い」より、「常備軍」が必要とされ、次第に傭兵の役割は小さくなっていく。
ただし、無くなってはいない。

中世の傭兵のムチャクチャぶりをみると、次の言葉が思い浮かぶ。
「軍隊とは、その国家において、最大の組織された暴力集団」 by ヤン・ウェンリー(田中芳樹「銀河英雄伝説」)

傭兵と軍隊は別ではあるが、一皮剥けば、そんなに違いはない感じはする。
本質的に「危険」なものである以上、統制されなければならないと思う。

が、「危険性」に目をつむり、安易に「使用」する事を語る人が多くなっているように思えるのは気のせいか・・・。
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