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琥珀色のにくいヤツ 

ウィスキーの科学  古賀邦正
  講談社ブルーバックス

個人的にウィスキーとは長い付き合いになる。

きっかけは、15年ほど前、一人暮らしを始める時に引越しを
手伝ってくれた友人から”引越祝い”としてサントリーの角瓶
をもらったのが、始まりであった。

自分の口に合ったのだろう、それ以来、飲みに行った時など、
ビール→ウィスキー、というコースが出来上がった。

ただ、ウィスキーを飲み始めると、周りの人は、一旦、興味を
示すものの、「ウィスキーだけはダメ」などと言い、焼酎や
ワインを飲み始め、自分は一人、ウィスキーを飲む、という事が
ほとんどだった。
まあ「ウィスキーに気に入られた」と思うようにしている。

この本は、ウィスキーの製造工程、特に「熟成」の時に樽の中
で何が起きているか、を解説したものである。
正直、化学についての知識がないとついていけない部分もある。

が、専門的な部分は理解できなかったとしても、製造工程の
不思議さ、というものは理解できる。

昔の人は化学の知識などなかったが、試行錯誤と偶然の出来事
から、ウィスキーの製造工程(特に「熟成」)は、「これしか
考えられない」というくらい最適になっている事が、研究すれば
するほど分かってきたらしい。

こういうものはウィスキーだけではないだろうが、古くから
作られているものについては、「先人の知恵」というものは
偉大なのだなと思う。

印象的な言葉は、最後の章の「能動的に待つ」という言葉。
ウィスキーの製造工程の99%は貯蔵期間が占める。
この期間に「熟成」されるのだ。

言い換えれば、「待つ」という事になるのだが、ただ「待つ」
のではなく、「能動的に待つ」ということ。
将来についての期待や予測を持ちながら「待つ」ことである。
ちなみにこれの正反対が「待たされる」(=受動的に待つ)
という状態。

今の世の中は、「受動的に待つ」事については、極力、減らそう
という方向に動いているが、同時に「能動的に待つ」という事
までも一緒に減らしてしまっているように思える。何かを夢見て
待つ、ということの象徴として、ウィスキーは貴重だ、とまで
著者は言っている。

今度、ウィスキーを飲んだ時、「ウィスキーだけはダメ」とか
言われたら、語ってしまおうか。
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カテゴリ: 古賀邦正

テーマ: 読書感想 - ジャンル: 本・雑誌

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