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無用の用 

「がんばらない生き方」
  池田清彦  中経出版


このごろ巷に流行るもの「成果」「効率」「自己責任」・・・
と言った人がいるとか、いないとか。

「成果」ばかりを求められたり、
「効率」を求めるあまり、どんどん締め付けが厳しくなったり、
余計な事を言って、文句を言われそうと思ったら「自己責任」を持ち出して・・・。


否定的な方向に走りすぎたかもしれないが、最近、このような傾向を感じる
事が多いのも事実だ。

「無駄な事」「余計な一言」「時間がかかること」は毛嫌いされ、削られていく。
だが、車のハンドルやブレーキに「遊び」がなかったら、とても運転などできない
らしい。

本書の中でも紹介されているが、よく「働き者」の例に使われるアリも、実際に
忙しく働いているのは、巣全体の2~3割ほどだけだという。
残りは、何もせずサボっているだけ。

面白いのは「働き者」だけを隔離すると、不思議な事に一生懸命働くのは、
その中の2~3割で、残りはサボりはじめる。一方、残された「怠け者」集団
では、その中の2~3割が「働き者」になるらしい。

会社でも成果が出せない者はいらない、とやりすぎると売上が落ちたので、
頑張らないと、という局面で、社員の負担ばかりが増える、ということに
なりかねない。
「無駄」でも「必要悪」として余分な人間がいる方が、このような時に役に
立ったりするので、組織としての伸び代がある、と言える。

老子(か荘子)に出てきた例えで
「自分の足許の地面以外は要らないからといって、足許以外の地面を
 なくしたら、動くことができなくなった」
という話が思い出される。

煽られるがままに、極端まで行くことなく、「ほどほどに」くらいにしておくのが
一番だと思う。
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カテゴリ: 池田清彦

テーマ: 読書感想 - ジャンル: 本・雑誌

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