小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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夜空ノムコウ

「栄光なき天才たち
  宇宙を夢みた人々」

 講談社漫画文庫

 作:伊藤 智義  画:森田 信吾



当作品は「週刊ヤングジャンプ」に、1986年から1992年にかけて
連載された作品。

タイトルに「栄光なき」とあるので、想像できるかもしれないが、
存命中は、評価されなかった人物達を取り上げている。
その性格上、どうしても悲しいエピソードが多いが、このロケット
開発の話は例外的にラストで報われる、というパターンが多い。


シリーズを通して、特に好きだったのが、このロケット開発の先駆者
たちの物語である。
これらの話をきっかけに「栄光なき天才たち」にハマっていったと
言っていいくらいだ。



「凡人」
というのは、裏を返せば
「どの能力もだいたい平均値で、バランスの取れた人間」
で、
「天才」
というのは
「何かが欠けたために、他の能力が異常に発達してしまった人間」
ではないか。

世の中、「天才」という言葉を簡単に使うが、「天才」が本当に
いいのか。

このシリーズを読んでいたためか「天才」という言葉に若干、否定的な
意味を感じるようになった。



紹介される科学者たちに共通するのは、底抜けに楽天的。
いつも夜空を見上げて、目をキラキラさせているような感じだ。

ただ、初期の頃は、牧歌的でさえあるのだが、やがて、ロケットの
持つ二面性に嫌でも気づかされることになる。


宇宙へ行く手段であると同時に核弾頭を運ぶ手段でもある、
ということ。


その現実に躊躇する者、その現実を理解した上で、夢を実現する
ために利用する者。
どちらが正しい、というものでもないが、自分ならいつまでも
悩んでいることだろう。


あとがきにもあるが、作者が心残りなのは、ドイツから旧ソ連に
ロケット技術を伝えた人の話もあったのだが、ページ数の関係で
他のエピソードに吸収されてしまった事と旧ソ連のロケット研究者
コロリョフの話が抜けてしまった事。

前者は作者のHPに原案が掲載されており、後者は連載時には、
旧ソ連の国家機密ということで名前さえ公表されていなかった、
という事情があるそうだ。


ちなみに探査機はやぶさの目的地「イトカワ」の名前の由来とも
なった糸川英夫博士は、アポロ計画のリーダーであるヴェルナー・
フォン・ブラウン博士と同年の生まれである。


同じような時期に同じような才能の持ち主が現れる、というのも
不思議な感じがする。
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この記事へのコメント

こんばんは!!!
この手のお話しは私の好物です。
「天才」も「凡人」もある観点から見たら同じなのかなと思います。
 天才という言葉は一般的には賞賛の言葉でしょうが、必ずしも=幸福だとは限らないんだろうなと。
 
>>同じような時期に同じような才能の持ち主が現れる、というのも
不思議な感じがする。

歴史というのはそうなるように舞台が用意されているのではないかなと思いました。ある発見、ある成功の為に必要な要素があつらえられるという感じですかね。

Re: タイトルなし

「天才」は、ある意味、アンバランスな人間だと思っているので、
持っている才能がピッタリあてはまる分野では大活躍できるの
でしょうが、普通の生活は送れないでしょうね。

ところで、昔読んだ別の本で、「アポロ計画」は21世紀の
10年を20世紀に持ってきてしまったようなものだ、という
事を言っている人がいましたが、似た才能を持つ人が同時期に
現れた、という事は、やはりしかるべき時期にしかるべき才能
が現れた、ということなのでしょう。

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