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雪の中の懲りない面々 

「面白南極料理人」
  西村 淳  新潮文庫



著者は第30次南極観測隊、第38次南極観測隊ドーム基地越冬隊に調理担当として参加した。
これは第38次の方の1年間の記録である。2009年に映画にもなっている。
ただし記録と言っても堅苦しいものではない。変なオヤジ達の奇行歴という感じだ。

南極の昭和基地の名前は聞いた事がある人は多いと思うが、ドームふじ基地は知らない人も多いだろう。
昭和基地は海に面した所にあるが、ドームふじ基地は、昭和基地から1000キロほど内陸部に入ったところにある。
おおざっぱに言うと昭和基地と南極点を直線で結ぶと、沿岸部から3分の1ほどの所だ。

ちなみに標高3800メートル。年平均気温-57℃(最低気温は-80℃)
ウィルスさえ生きられない過酷な環境。

こんな所で1年間暮らす、と考えただけでもゾッとする。自分なら1週間ももたないだろう。
しかもドームふじ基地は総勢9名(昭和基地は60名ほど)
イヤなヤツがいるからといっても、顔を合わせないわけにはいかない。
さらに総勢9名。慢性的な人手不足で、何をやるにも誰かの協力が必要。(協力しないと生きていけない)
「こんな所、イヤだ!」と逃げ出しても、お隣さんは1000キロ先。

これはストレスがたまらないわけはない。
そんな時、活躍するのが料理人。

誰かの誕生日、大掛かりな作業が終わった等、ことあるごとに、宴会を開き、ガス抜きをする。
本の中では、かなりいい加減な酔っ払いオヤジと称しているが、そのあたりの機微を本能的に感じ取るのはさすが、としか言いようがない。
自身、2度目の南極越冬、という事もあり、周囲を見渡す余裕があるのだろう。

ドームふじ基地の隊員は、それぞれの担当分野では「プロ」だが、料理人の前では「一人の人間」でしかない。
どんなスゴイ肩書きを持っていようと、全員「ヘンなおじさん」扱いだ。
よく言えば「個性豊か」、悪く言えば「変人集団」との奮闘の日々。
ほとんど体育会の合宿のノリである。唯一、違う点は、そこが南極大陸である、という点。

読んでいるだけなら
「-40℃での屋外ジンギスカンパーティー」
「気温-65℃、湯温40℃、温度差100℃の露天風呂」
「標高3800Mの花火大会」
などは、楽しそう、とさえ思ってしまうが、絶対に体験したくない。
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カテゴリ: 西村淳

テーマ: 読書感想 - ジャンル: 本・雑誌

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