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スペースシャトル「チャレンジャー号」の悲劇

スペースシャトルは、今年(2011年)のエンデバー号の飛行を最後に退役する事になる。

そのため、ナショナルジオグラフィックのニュースサイトでは、スペースシャトルの歴史を振り返る記事が多かったが、今回は、スペースシャトル初の爆発事故についての記事が掲載されていた。

「爆発しなかった、チャレンジャーの悲劇」
「乗員は即死? チャレンジャーの悲劇」
「生中継で目撃? チャレンジャーの悲劇」
「寒さは2次要因、チャレンジャーの悲劇」
「脱出不可能、チャレンジャーの悲劇」

事故の概略だけ言うと、1986年1月28日、スペースシャトル「チャレンジャー」号が発射から73秒後に外部燃料タンクが破損、漏れた燃料に引火し、タンクが爆発。シャトル本体は、過大な空力負荷に耐えられず空中分解。乗組員7名が全員死亡、という大事故になってしまった。

スペースシャトル初の死亡事故である上に、タンクが爆発するシーンはかなりショッキングな映像であった。

ちなみに1965年にノーベル物理学賞を受賞した R・P・ファインマンは、この事故の調査委員会のメンバーとして活躍し、その時の様子が「困ります、ファインマンさん」に描かれている。

それによると事故の直接の原因は、固体燃料補助ロケットの接合部からの漏出であるが、これとは別にNASAの組織構造の問題もあった。

というのは、現場の技術者・作業員は、スペースシャトルの打上げペースがハードで、一度、念入りに整備した方がよい、と突き上げていたのに対して、上層部は打上げスケジュールを守る事を優先させたのだ。

こう書くとNASAの上層部が悪者になってしまうが、上層部は上層部で、

スペースシャトルの打上げスケジュールが守れない
 ↓
成果が出せない、と予算が削られる
 ↓
職員の数を維持できない(=属人的なノウハウが散逸してしまう)
 ↓
スペースシャトルの打上げスケジュールが守れない

という悪循環に陥ってしまう、という判断があったのだ。

現場の声が届いていなかったのは問題だが、打上げスケジュールを守ることに固執したのも頷けるものではある。
この事故は、そんな様々な要因がからまって発生したのである。

だが、スペースシャトルの事故は、その後、2003年2月にも起きてしまう。(コロンビア号が大気圏再突入時に空中分解)
しばらくして、事故調査委員会により、原因が発表されたが、その間接的な原因として指摘された事項を読んだ時に驚いた。

それは「現場の声を無視して(もしくは届かず)、打上げスケジュールを守る事に固執した」という点では、チャレンジャー号の時と全く同じだったからだ。

過去の失敗の教訓を生かせず、同じ過ちを繰り返す。
似たような話は、あちこちで聞くありふれた話だろう。

痛い思いをしても、時がたつにつれて記憶が薄れ、同じミスを繰り返してしまう。
たまたまこういう記事を目にしたので、時々、思い出すように自分も肝に銘じておこう。
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