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灯台下暗し 

「スズメ百態面白帳」
 大田眞也 葦書房



野鳥に興味のない人でも「知っている鳥の名前を挙げろ」と言われたら、必ず名前が出てくるであろうスズメ。

それほど身近な鳥でありながら、その生態については、あまり知られていない。

稲を食べるので「害鳥」などと言われてしまうが、実のところ繁殖期の春から初夏にかけては農作物の害虫を食べる鳥である。
実際、スズメを駆除しすぎたら、その年は凶作になった、という話もある。
地方では「スズメの巣を取ると火難にあう」などという俗信もあるくらいだ。さすがに昔の人はスズメは稲を食べるだけではない、という事に気が付いていたのだろう。


そんなスズメ達の事を「食」「天敵」「育雛」「巣」「群れ」「分布・進化」をキーワードに紹介している。

面白いのは、これ以外に「民俗」というキーワードもある点。
「スズメ」という名の由来や、「スズメ」にまつわる地名や言い伝えなどを紹介している。ここだけでもスズメが如何に人間の生活と密着しているかが分かる。

別の本で読んだ事だが、スズメは人間の家のそばに住みついているが、人が住まなくなった地域には、スズメもいつしか姿を消してしまうらしい。

少し前に東京の日比谷公園のスズメの生息数を調べると、予想の半分以下でしかなかった、というニュースがあった。
理由はいろいろと考えられるが、これといった有力な説がないのが、気味が悪かったのを覚えている。
大げさに言えば、稲作伝来以来(と言われている)の付き合いのスズメに見限られてしまったような感じだ。

だが、スズメは小さく弱い生き物であるが、同時に「したたか」な生き物でもある。(人間のそばで暮らしている点だけでも、その事が十分、窺い知れる)
人間だけが知らない所で平和に暮らしている、と思いたい。


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カテゴリ: 大田眞也

テーマ: 読書感想 - ジャンル: 本・雑誌

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