小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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人それぞれ

「しがみつかない生き方」
 香山リカ
  幻冬舎新書



「普通の生活」をしたいだけなのに、それがかなわない。構造改革や9.11同時多発テロ以来、こういう人が増えてしまったように思う。
しかもこの頃から「自己責任」という美名の下に人間の狭量化が進んでいる。(これは本の中の表現を借りたもの)

この本では”「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール”を挙げている。

特に印象に残ったのは、
「すぐに白黒つけない」
「<勝間和代>を目指さない」
の2つ。

数年前に流行った言葉で「勝ち組・負け組み」というものがあった。
「勝ち」「負け」の定義がはっきりしない上、一度、どちらかのレッテルを貼られたら、未来永劫、変わらないと言わんばかりに決め付ける、という点が理解できなかった。
勝ち・負けも、その時、(仕事などが)調子がいいか、悪いかの違いでしかなく、永久に勝ち続けたり、負け続けるわけもない。

「生き上手 死に上手」(遠藤周作)に「不幸がなければ幸福は存在しないし、病気があるからこそ健康もある」と書かれていたのを思い出した。
何が「福」「災い」になるかは分からない。だから簡単に決め付けることはすべきでないのだ。

もう一つは、個人攻撃ではない。
ある人物が語る事を実践するのはいいが、誰もがその人と同じ事ができるわけではない。

優秀な人は「全ての人は自分と同じ才能がある」と考える悪癖がある。
自分と同じ事ができない事は「努力が足りない」事であり、「能力の違い」にあるとは思わない。
当然、その人の本には「できない時」の事は書かれていないので、同じ事ができない人は、「自分は無能」と責めて、落ち込んでしまうのだ。

ちなみに勝間女史の言う事は、新聞連載記事の見出しくらいしか読んだ事はないが、正直、あまり心に響いた事はない。
(「ふ~ん」くらいは思ったことはあるが)むしろ、香山女史の言う事の方が腑に落ちる事が多い。

平凡な結論だが、人それぞれ向き不向きがあるので、自分に合わない方法をムリに続ける必要もないし、できないからと言って、自分を否定する事もないのだ。
「(うまくいっている時でも、そうでない時でも)これを利用して何とかトクすることはあるまいか、と考える」(「生き上手 死に上手」遠藤周作)から)のがいいのだろう。


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この記事へのコメント

すごく共感します

実はこの本、絶対読んでみようと思いながらまだ読めてないのですが、各章のタイトルを見ているだけでも「うんうん」と頷けるものばかりでした。

おっしゃっているように人は「自分にできることが他人にできないことを納得しない」傾向がありますよね。私の場合人間関係のスキルが足りなかったりするんですが、なぜみんなとうまい付き合いができないのだと非難されることも多いです。

勝間和代に対する意見にもすごく同意します。あの人のスタンスは基本「私が成功したんだからみんなもこうしなさい」ということですよね。彼女の悪いところはスタンダードを高いところに置きすぎることで人々の向き不向きを考慮しなかったことであると思ってます。

良いレビューありがとうございます。私も読んでみよう。

  • 20110623
  • すぐいじける女の子 ♦8pcbINCI
  • URL
  • 編集 ]
Re: すごく共感します

身近に同業者がいるもので、香山女史の本は以前から気になってました。

SFマガジンに連載記事があり、実際に書いたものを読むようになったのですが、
非常に面白かったので、古本屋で見つけ、即、ゲットでした。

長年、心の病を扱った仕事をしているだけに、人の弱さとかをよく分かっている
から、多くの人が共感するのでしょう。

  • 20110623
  • KarrNon ♦-
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  • 編集 ]
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