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改造人間 

「万物理論」
  グレッグ・イーガン
   創元SF文庫



万物理論とは、すべての自然法則を包み込む理論。その万物理論が完成されようとしていた。ただし、学説は3種類。

それぞれの学説は、3人の物理学者が南太平洋の人口島で開かれる物理学の国際会議で発表される。
が、ただしいのは一つだけ(なぜ一つだけ、と突っ込んではいけない)

主人公は科学ジャーナリスト。
3つの学説のうち、大本命と言われる説を唱える物理学者を取材することになる。が、島にはカルト集団が現れ、騒ぎの予感。そして、水面下では、人口島の存亡に関わる陰謀も進んでいた。


非常に理屈っぽい、というか、難解というのが最初の印象だった。

量子力学の観測者問題をネタに取り込んでいるせいか、その説明が直感に反するので、理解するまで時間がかかってしまう。
著者の別の作品「宇宙消失」でも同じようなネタを使っていたが、当作品の方が骨太という印象を受ける。

著者の作品では(と言っても、当作品と「宇宙消失」しか読んでいないが)自らの体を改造する人物が登場する。

主人公は、視神経をチップにつなげて、見たままを記録するようにできたり、情報収集支援ソフトを脳につなげたりしている。
また、性転換は当然として、体を改造し、男でも女でもない「汎性」という存在や、男や女の特徴を強調した者やその逆の事をした者達が普通に存在する。

極めつけは、「永遠」を手に入れようとして、自身のDNAを別の物質に入れ替えようとする人物や犯罪捜査のため、一度、死んだ人間を短時間だけ無理矢理、生き返らせる技術も登場する。
(もっともこの辺りは、作中でも「フランケンサイエンス」と忌み嫌われているが)

万物理論についての話が難しいので、こういった所が気になってしまった。
こうして体の改造を繰り返した上でも、精神的に以前の自分と同じ、と言えるのだろうか。

木城ゆきとの「銃夢」というマンガでは、
「脳以外はすべて機械の者」

「脳だけ機械(チップ)で、それ以外は生身の体の者」
では、
「どちらが”人間”と言えるのか」
という問いがあったのを思い出した。

それにしても、もしも自分の視界の片隅にウィンドウズの画面みたいなものがあったら・・・
絶対にイヤだ。
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カテゴリ: グレッグ・イーガン

テーマ: 読書感想 - ジャンル: 本・雑誌

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