小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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SF(Sukoshi Fushigi)な物語

「藤子・F・不二雄 SF短編集① 創世日記」
 藤子・F・不二雄
   中公文庫 コミック版


2011/9/3 藤子・F・不二雄ミュージアムが開館する。

そのため、というわけでもないが、藤子・F・不二雄の作品をもう一度、読んでみることにした。
ただし、有名どころの「ドラえもん」「パーマン」「オバケのQ太郎」などは避けて、SF短編集を選択。
(SF短編集の方しか持っていない、というのもあるが)

藤子・F・不二雄のSF短編集は子供の頃、持っていた。
いつごろ買ったのか、記憶が定かでないが、面白かったので、何度も読み、いくつかの話は内容をかなり覚えていた。

その後、本自体は、どこかに行ってしまったが、文庫サイズのマンガの人気が出て、出版ラッシュが起きたころ、ふと思い出し、探してみると、本書が見つかった。

このシリーズは他に4巻まである。また小学館文庫、小学館コロコロ文庫にも藤子・F・不二雄の短編集が出版されており、これらは全部、持っている。

本書の収録作品は、次の7作品
「マイ・シェルター」
「創世日記」
「いけにえ」
「街がいた!!」
「老年期の終わり」
「うちの石炭紀」
「みどりの守り神」

子供の頃、読んだSF短編集で特に面白かったのは「創世日記」「街がいた!!」「老年期の終わり」の3作品。
本書だけでもう一度読みたいと思っていた作品が読めてしまったので、他の巻は買うのをやめようか、と思ったほどだ。

藤子・F・不二雄のSFは「サイエンス・フィクション」ではなく「少し・不思議」の略だと言われている。
アイディア勝負のSFで、そのアイディア自体が秀逸だ。今、読み返してみても、あまり古さを感じさせない。




以降、ネタバレを含むので注意。




「創世日記」に登場する「天地創造システム」は、今で言う育成ゲームにほかならない。
また、今ある世界は「誰か」(神様ではなく)が作ったからこそ、ここにある。ここにあるから作らなければならない、
というのは、先日、読んだ「万物理論」(グレッグ・イーガン)でも似たような件があった。
図らずも時代を先取りしていたようだ。

「街がいた!!」は、テクノロジーの進化(暴走?)がもたらしたミステリー。
「街」は何を求めて、どこに行こうとしたのか。
そして、最後になぜ「自殺」しなければならなかったのか、を考えると少し悲しくなる。

「老年期の終わり」のタイトルはSFファンにはおなじみの「幼年期の終わり」(アーサー・C・クラーク)のパロディ。
SF短編集の中では、最も好きなエピソード。ラストに余韻を残すような話は、自分にとって「どストライク」だ。
40数ページの短編とは思えない内容。

6000年に及ぶ冷凍冬眠が全くのムダだった事を知ってしまった失意の主人公が聞くのは、アメリカ民謡の「マギー、若き日の歌を」(実在する歌)
曲はコチラ

歌詞の日本語訳はコチラ

この歌の内容が作品のストーリーに合っている。
ちなみに以前にも自分のブログで、この作品の感想を書いたことがあるが、いまだに検索キーワードで一番、多いのが「マギー、若き日の歌を」だ。
藤子・F・不二雄の影響力、おそるべし。

本書で初めて読んだ作品で印象的だったのは「みどりの守り神」
読み終わった後、自然のたくましさ、進化の不思議に思いをめぐらす作品。



ところで、テレビでやっている藤子・F・不二雄ミュージアムの紹介では「ドラえもん」などの有名どころばかりだが、あまり脚光を浴びない、このような作品群もちゃんと展示されているのだろうか?

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