小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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黒い藤子・F・不二雄

藤子・F・不二雄 [異色短編集]1
 ミノタウロスの皿
   藤子・F・不二雄


藤子・F・不二雄の短編集。
「オヤジ・ロック」
「じじぬき」
「自分会議」
「間引き」
「3万3千平米」
「劇画・オバQ」
「ドジ田ドジ郎の幸運」
「T・Mは絶対に」
「ミノタウロスの皿」
「一千年後の再開」
「ヒョンヒョロ」
「わが子スーパーマン」
「コロリころげた木の根っ子」

これまで感想を書いていたのは「SF」短編集だったが、今回は「異色」とタイトルに付くだけあって、ブラックな内容の作品が多い。
印象に残った作品は次のもの。


「劇画・オバQ」
「オバケのQ太郎」のセルフパロディ。大人になったQ太郎が正ちゃん達に会いにくる話。
絵柄も劇画調になっているのが、面白い。
一番、現実的、と思っていたハカセが大人になって一番、夢想家だった、というのが意外。


「ミノタウロスの皿」
藤子・F・不二雄の短編によく出てくるパターンの一つ、「立場を入れ替えてみる」シリーズ(?)の作品。

宇宙船の故障で不時着した星は、人間(そっくりの)種族が牛(そっくりの)支配階級に「家畜」として飼われている世界。
「家畜」ということは、いつか支配階級に食われる、ことになる。だが、その「家畜」の人々には、食べられる事が最高の
名誉だ、と考えられている、という話。

主人公は人間(そっくりの)種族を食べる事は「残酷だ」と支配層の牛(そっくりの)種族に訴えるが、全く理解されない。
「彼等には相手の立場で物を考える能力がまったく欠けている」と主人公は、ぼやくが、この主張、単語を入れ替えると、
いつか、どこかで聞いた事がある話になる。

偶然の一致なのか、意識的なものなのか・・・。


「わが子スーパーマン」

自分の子供がスーパーマン並みの能力を持っていることがわかったら?
しかも「善」と「悪」を判断するのは、小学生。

強大な力を持っている正義感の強い(強すぎる)小学生。
ヒーローもののマンガなら、問題ないが、実際にいたらどうなるか。

いや、現実の世界でもこれに近い事をやっている国がある。
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この記事へのコメント

激面!

ブラックな作品というと藤子Aさんの方を連想しがちですが、Fさんにもあったのですね。可愛いキャラクターをわざと劇画チックに描いて笑いをとるような方法は、わりと最近のことのように思っていましたが、さすが大作家、既にやられていたのですね。

「牛に食べられるのが名誉」、これがまた実に人間的な発想だと思います。

人様のことは云えませんが、大人子どもの多い昨今、判断力が短絡化すると恐ろしいですね。

評を拝読した印象ですが、ブラックと云ってもやはり、藤子F氏の方が、SF色が強いように思いました。

  • 20110919
  • 敦 ♦-
  • URL
  • 編集 ]
Re: 激面!

絵柄のせいか、ブラックな内容でもカラッとした感じを受ける作品が多かったです。
が、それが逆に怖さを引き立てているものもありました。

言われてみれば、確かに藤子・F・不二雄の方がSF色が強いですね。

  • 20110919
  • KarrNon ♦-
  • URL
  • 編集 ]
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