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良薬、口に苦し 

藤子・F・不二雄 異色短編集2
  気楽に殺ろうよ
    藤子・F・不二雄
     小学館文庫


藤子・F・不二雄の短編集。短いものは数ページの作品もある。

「ミラクルマン」
「大予言」
「老雄大いに語る」
「光陰」
「幸運児」
「安らぎの館」
「定年退食」
「サンプルAとB」
「休日のガンマン」
「分岐点」
「換身」
「気楽に殺ろうよ」
「ウルトラ・スーパー・デラックスマン」
13作品が収録されている。(「サンプルAとB」は原作のみ)

単行本のタイトルだけを見るとかなりブラックな内容と想像できるが、実際にブラックな話は半分ほど。

「大予言」
短い作品だが、一番、コワイ内容。1976年に発表された作品だが、今、読んでも色褪せていない。
ラストで預言者が孫を抱いて言うセリフ
「もう予知してあげる未来がないんだよ」
という言葉がズシッとこたえる。

「定年退食」
国家の扶養能力を超えてしまうほど人口が増えた未来。
法律で「定年」を定め、その年齢を迎えた人のうち、一定数以外の人は、年金などの国家の保障を打ち切られる。

かなり残酷な内容だが、不思議と生々しさがない。あまりの事で現実感がわかないのか、絵柄のせいなのか。
それともわざとそのようにして、その落差をねらったのだろうか。

「ウルトラ・スーパー・デラックスマン」

異色短編集の1巻にあった「わが子スーパーマン」と同様の話。
ただし、今回は「超能力」を持ったのは大人。「わが子スーパーマン」では子供ならではの無邪気さがあったが、こちらの話では主人公の「邪気」が露骨になっている。

なぜか超能力を身につけてしまった主人公(外見は他の作品にもよく登場するラーメン好きの小池さんそっくり)は、「ウルトラ・スーパー・デラックスマン」を名乗り、「悪」と戦いはじめた。
が、ただのひったくりでも犯人の命を奪うほど情け容赦なく、それを批判したマスコミも(物理的に)つぶすなど、次第に暴走を始める。

制限を受けない巨大な力は「独善」にしか走らないのだろうか。

核兵器すらものともしないウルトラ・スーパー・デラックスマン。もはや誰にも止められない、と思われたが、意外にあっさり命を落としてしまう。
無敵のウルトラ・スーパー・デラックスマンも自身の体内のウルトラ・スーパー・デラックスがん細胞の増殖を止める事はできなかったのだ。

批判を受けるのは気持ちのいいものではないが、聞く耳を持たなくなったら、お先真っ暗だ。
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カテゴリ: 藤子・F・不二雄

テーマ: 読書感想 - ジャンル: 本・雑誌

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