小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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マギー 若き日の歌を

藤子・F・不二雄 SF短編集
 第1巻 「創生日記」
 第2巻 「メフィスト惨歌」
 第3巻 「超兵器ガ壱号」
 第4巻 「ぼくは神様」

「ドラえもん」「パーマン」などが強烈すぎるだけに、このようなSF短編集があることは、
あまり知られていない。

今回は、中公文庫のSF短編集を取り上げるが、小学館からもSF短編集が文庫になっている。

「SF」という言葉は、本来は、「サイエンス・フィクション」の略であることは、今更説明する
までもないだろう。

SFものというと、文字通りの「サイエンス・フィクション」から「スペース・ファンタジー」と
でもいうべきようなものまでいろいろ含んだ意味で使われる。

小学館コロコロ文庫の解説ページに書かれていたが、藤子・F・不二雄の「SF」は、
「少し・不思議」の略と言った方がいい話ばかりである。

ブラックユーモアから、軽いギャグ、よく考えると考え込んでしまいそうなものまで
バラエティに富んでいる。
中には、ドラえもんに、そのまま使われた話まである。


一番好きな話は「老年期の終わり」

SFファンであれば、0.1 秒で、元ネタがわかるだろうが、パロディは、タイトルだけである。
(以降はネタバレ含むので注意)
ちなみに第1巻に収録されている。

遠い未来、人類がワープ航法を開発し、銀河系いっぱいに版図を広げたが、社会的には、
何百年も停滞している。
(ワープ航法といえども、限界があって、他の銀河まではたどりつけていない、という設定)

全体的な気分として、新しいことにあまり目を向けなくなり、地球へ戻ろう、という動きが
かなり進んでいる社会が舞台。

そんな中、銀河の中心付近にある人類の植民星に一隻の未確認宇宙船がやってくる。

全く違う文明の宇宙船にしては、どこかで見たような形。
古い記録を調べると、6000年前に異星文明との接触を求めて、冷凍冬眠させた一人の
人間(イケダ)を乗せた宇宙船だということが、判明する。

この後にワープ航法が開発されて、人類は、イケダを追い抜いて、惑星を開拓。

イケダは、異星文明ではなくて、6000年かけて、同じ人類に会いに来たということ
になってしまう。

しかもワープ航法を使えば、たった60日で地球に帰れるようになっている時代なので、
イケダの6000年は、全くの無駄・・・。

政府の首脳は、本当のことは伝えないようにして、自分達と一緒に地球に帰らせようとする。
が、やはり真実は知られてしまう。

落ち込むイケダ。
家族、友人、恋人をすべて捨ててまで挑んだ結果が・・・

マリモ(ヒロイン役)は、できるだけはげまそうと、気晴らしにいろいろな所へイケダをつれまわすが、
どこでも「昔はよかった」式の話ばかり。

人類は種としての老年期を迎えたのでは、という話すら出てくる。

そして、地球に帰還する宇宙船の出発日にイケダは、重大な決心をする。

「銀河系の外に乗り出す」

マリモは、必死になって止めるが、無駄だと分かると、今度は、自分も行く、言い出す。

その姿を見たマリモの祖父は、思う。
「自分達が失ったものが、ここにあった。未知に挑む勇気。明日を信じる若さ。」
と。

そして、確信する。
「いつかどこかで人類が再出発するだろう」

話の中で使われるのが「マギー、若き日の歌を」(アメリカの民謡です)

中盤では、気落ちしたイケダが一度は捨てた過去をしのぶ歌として。
(「歌っているのは、僕の女友達。・・・6000年前のね」という
 セリフが突き刺さる)

そして、ラストでは、マリモの祖父がこの曲を聞きながら、2人の出発を見送る。

SFなのに古い民謡をテーマ曲とするあたりが、巨匠たる所以なのか?

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「マギー若き日の歌を」を歌っている映像↓


歌詞の日本語訳

マギー若き日の歌を(堀内敬三 訳詩)

いにしえの春よ マギー
思い出の路よ
小川には水車 マギー
林には小鳥
紅の花や マギー
さみどりの空や
まぶたに浮ぶ マギー
ありし日の姿
   年は過ぎ今は マギー
   思い出はあせても
   歌おう声低く マギー
   若き日の歌を

山かげの町よ マギー
思い出の町よ
安らかな住居 マギー
うるわしいちまた
そよ風は渡り マギー
朝日かげさして
まぶたに浮ぶ マギー
ありし日の姿
   (くり返し)
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