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元を辿る 

名言の正体 -大人のやり直し偉人伝-
  山口智司  学研新書

 

「座右の銘」として、スピーチに使う一節として、決めセリフなど、様々な場面で「名言」は引用される。

だが、発言されてから時間が経って解釈が変化したり、途中でカットされたため違う意味になってしまったりするものがあるのも事実。
それどころか誇張や捏造さえあったりする。

諺の「情けは人のためならず」は、「将来的にその人のためにならないから、情けをかけるな」という意味ではなく、「巡り巡って自分に返ってくるので、人に情けをかけなさい」が本来の意味、というのは割りと有名な話。
名言でも同じような例が掃いて捨てるほどある。

ただ、歴史上の人物が実はこんな人でした、という話が、その人物評を下げるものだけでない(時に下げるものもあるが)ように、名言の価値を下げるような話ばかりではない。
名言の正確な内容や背景などを辿ると、より深い意味が分かったり、発言者の事を(実像はさておき)どのように周囲の人々が評価していたか、という事がよく分かる。

同時に発言の前後関係や、その背景の無視、一部のみの抜き出しは、これほどまでに本来の意味をゆがめたり、失わせてしまうか、といういい見本でもあった。
どこかの国の政治家達(または、その言葉を伝えるマスコミ)は「切り取りやすいワンフレーズ」を好むようだが、それが如何にキケンな事か・・・。

ところで、最近、聞いた言葉で印象に残っているのは、シー・シェパード代表のポール・ワトソン氏の
「牛は海に住んでいない」
という言葉。

これは、2011/07/02のフジテレビの番組”渡辺陽一が撮ったこれが世界の「戦場」”で、スタジオの中学生の「牛は保護しなくていいのか」という意味の質問に対する答え。
(この言葉自体、編集して切り取られたものでない事を願う)

・・・「名言」でなく「迷言」だった。

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カテゴリ: 山口智司

テーマ: 読書感想 - ジャンル: 本・雑誌

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