小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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カミサマのサイコロ

「未来はすべて決まっているのか」
  雑誌ニュートン 別冊


程度の違いこそあれ、先の事が分かればいいのに、と思った事がない人はいないだろう。

ただ、分かればいい、と思っているのは、ある特定の物事だけ、というパターンがほとんど。
自分や知人の将来というだけでなく、人類や宇宙も含めた「すべて」の未来は決まっているのか、と聞かれたら?


このムックで取り上げているのは、ニュートン力学と量子論。

ボールを投げた時、どのように飛んでいくか、というのは、投げる時の方向、力などの条件が分かっていれば、ニュートン力学で計算できる。
ただし、現実にやろうとした場合、急に強い向かい風が吹いたとか、鳥が空中キャッチして持っていったなど、思わぬ要素が入り込んで、計算通りにいかないことも多い。
だが、仮にこれら関連する要素をすべて把握する事ができて、計算に含められるとしたら、投げる瞬間に未来は決まっている事になる。

一方、原子や原子より小さいものを扱う量子論には「不確定性原理」というものがある。
観測のために光をあてると、その事により観測対象に影響を与えてしまうので「何%の確率で観測対象はここにある」ということしか言えないし、観測したとしてもある程度の不確かさは必ずつきまとってしまう。

そのため、ボールを投げようとした瞬間のありとあらゆる事が把握できたとしても量子論では、未来は決まっていない事になる。


アポロ計画では宇宙船の軌道はニュートン力学で計算し、その結果、月に人間を送り込んで、無事に帰還させることまで成功させた。
が、宇宙飛行士を含めた宇宙船を構成する原子のふるまいを突き詰めると「不確かさ」が顔を出してくる。

この世界は原子からできているのに、その原子を扱う量子論とものの運動を扱うニュートン物理学は、なぜか相性が悪い。
(ちなみに相対性理論はニュートン力学を含んでいる)
その理由を答えられる人は、今のところ、誰もいない。

このムックでは第1章がニュートン力学の、第2章が量子論の基本的な原則の解説になっている。そして第3章が天文学や地学、生物科学などの他のジャンルの専門家の考えが掲載されている。
難しそう(特に1,2章)と敬遠しがちだが、見開き2ページで1テーマ、その半分以上はイラストを使った解説になっているので、分かりやすいように工夫されている。
(さすがにミクロの世界のイメージは一部「不正確」ではあるが、という注釈があったりするが)

果たして未来は決まっているのか。
決まっているとしたら、それを知って、違う行動をしたら、未来が変わった事になってしまう。
あるいは、そういう事も含めて決まっているのか。
こういう事を考え始めると延々とループが続いてしまう。

決まっていない、と言いたいが、絶対の確信があるわけではない。


ただ、確実に言える事は、今の段階で
「私には未来が見える。絶対に間違る事はない」
という人は信用ならない、ということだけだ。
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