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愛?哀?曖? 

「動物に愛はあるか」Ⅰ・Ⅱ
 モーリス・バートン ハヤカワ書房




帰らぬ飼い主を待つ犬
死んだ我が子を抱えて歩くニホンザル
カモの擬傷行動
エサとして与えた(生きた)ニワトリと一緒に寝ていたライオン


新聞やテレビ、雑誌でときどきこのようなニュースを目にする。

写真や映像で見た、実際に現場に居合わせた、自分が好きな種類
の動物だったというならば、動物達は本能に従うままではない、
と感激するだろう。

が、一方で冷静な目で見ると別の言葉でも説明ができる。

子育てに関することならば、「自分の遺伝子を残すための利己的
行動」と言えるし、最初にあげた犬の場合では、単にその犬の
お気に入りの場所だった。
ライオンの例では、ニワトリを自分の子と誤認識したための反応
が起きた、と。

実際、僕も動物園で死んだヒナを必死になって探すカルガモを見て、
心打たれた、ということがある。
が、冷静に考えてみると、「非常に慌てた様子でキョロキョロ
しながら歩き回るカルガモ」と「死んでしまったヒナ」を見ただけ
で、自分の中で都合よく話を組み立ててしまっただけとも言える。


動物でも本能が命じる以上のこと、人間でいう「愛」や「思いやり」
にあたる行動ができるのだろうか?

著者は、根っからの動物好きと見られ、動物にも「愛」はある、
という話を信じたがっているように思える。
いろいろなエピソードを収集しているが、決して飛びつくこと
はしない。
常に別の視点から説明ができるか、を考えることも忘れない。
(また、人づての話などは、できるだけ大元の情報源から話を
 聞くようにしている)

全体として、個々のエピソードは分析されているが、最終的に
「動物に愛はあるか?」という問いに対しての結論は、「あるかも
しれないし、ないかもしれない」とありふれたものになって
しまっている。

実際のところ、今の時点で言えるのは、それくらいの事なのだろう
と自分でも思う。
むしろ、頑なに否定ばかりしたり、逆に変に擬人化して、あるに
違いない、と思うことこそおかしいと思う。

動物写真家の岩合光昭氏は、写真集「スノーモンキー」のあとがき
で、このように書いている。
「ヒトに似た表情や仕草から、サルをヒトの範疇に当てはめ、
 共通性を見出し、すっかりサルを理解したような気分に
 なりがちだが、サルはサルでしかありえないし、ヒトは
 ヒトでしかありえない。
 ともに霊長類ではあっても、理解の出発点がヒトの範疇
 では、サルはヒトから遠のくばかり。
 サルはサルであり、そのサルをヒトとしての姿勢で見たい。
 できれば、いささかでも理解したい。」

また、マンガの「とりぱん」(5巻 とりのなん子)では、このような
言葉があった。
「野生のものの眼を覗き込んではならない。
 その奥には、決して届くことのない何かがあると、
 思い知らされるのだ」

動物達のことを少しでも理解したい、と思うならば、少し醒めた目
でみる方がいいのかもしれない。
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カテゴリ: モーリス・バートン

テーマ: こんな本を読んだ - ジャンル: 本・雑誌

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コメント

こんにちは(*^^*)

この本、すごく面白そうですね。
個人的にピンポイントで興味をそそられる内容なので
さっそく図書館で探したいと思います!

自分が生き物にすごく興味を持つようになったきっかけは
「ソロモンの指環」なのですが、
その冒頭でローレンツ博士が生き物に対する擬人化への
嫌悪や疑問を語っていて、それに深く共感したことが大きいのです。

記事中の岩合光昭さんの文章もはじめて読みましたが、
このように、生き物をヒトの物差しや感受性ではからない
見方、接し方は本当に大事だし新しい発見にもつながるように思います。

さーにん #- | URL
2009/06/27 13:04 * edit *

こんにちは。コメントありがとうございます。

「ソロモンの指環」は、ずいぶん前に読んだことがあります。
そういえば、ローレンツ博士も擬人化を嫌っていましたね。

ペットとして飼っているなら情がうつって、人間と同じように
扱いたくなるのも分かりますが、基本は、違う生き物だから
人と同じものさしではかってはいけないと思います。

KarrNon #- | URL
2009/06/28 17:59 * edit *

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