小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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最後の最後に

私の遺品お願いします。
  吉田太一 幻冬舎


本書は「本が好き!」より献本されました。

著者は遺品整理を行う会社「キーパーズ」の経営者。

テレビで取り上げられたのを契機に遺品整理の見積りをしてもらいたい、という電話が来るようになる。
その業務の性格上、「予約」といったものはできない上、見積りをしたとしても、その「業務依頼」がいつくるかも分からない。

そのため、当初、そのような依頼は断っていたのだが、あるとき「なぜ、多くの人が見積りをしてもらいたがるのか」を考えた時、その考えは180度変わる。

自分の死を意識しはじめ、準備を始めた人が最後に困るのが、遺品整理、という事が多いらしい。
家族や友人がやってくれるなら、そうするのが一番なのだが、人それぞれ事情があるので、そうもいかない人がこの会社に電話をかけてくる。
そして、口々に言うのが「これで安心した」という言葉。

「それで安心できるなら、見積書を書かせていただきます」と著者は全国を飛び回り、依頼者の話を聞くことにする。
あくまで「予約」などではなく「事前相談」という事で相談を受けたケースが本書で紹介されている。

事情は十人十色だが、事前相談をした人の多くから「他人に迷惑をかけたくない」という言葉が出てくる。(著者もその共通点には気が付いている)
「他人に迷惑をかけない」という事はその通りなのだが、その「迷惑」のレベルが随分違う。

著者や自分からすれば「迷惑でもなんでもない」という事も「迷惑だろう」と考えているのだ。
あるいは自分のプライドが他人に甘える事を許さないので「迷惑な事」と捉えているのか。

某首相の頃から「自己責任」という言葉が「自分とは関係ないから勝手にやれ」と同義語になったのも助長しているのかもしれない。

迷惑をかけないために無人島での一人暮らしを始めたとしても、家族・友人が捜索願を出して騒ぐだろう。
要するに生きている以上、他人に迷惑をかけない生き方はできない(と思う)

著者も最後で言っている。
他人に迷惑をかけるために絶対に外せない条件は「生きている」という事。自分が死んでできない事は「迷惑」ではなく「仕方ない事」

なんでもかんでも自分で決めると肩肘張るのではなく、(ほどほどに)他人に甘える事も考える、「お互いさま」という言葉をもう少し見直してもいいのでは、という気がする。
無論、過度に期待してはいけないが、素直に「お願いします」と言えば、自分で思っている以上に人は応じてくれると思う。
プライドや体裁ばかり高くなってしまっているのだろうか。


ところで、自分の遺品整理の時、見られたら死ぬほど(←死んでる)恥ずかしいものがあったら・・・

幽霊になって回収、とも考えたが、幽霊は物質を持てるのだろうか。
それに物質でなくパソコンの中の恥ずかしい画像などといった情報だったらどうすべきなのか。

そういった物は持たないようにすべきか、失笑の声はあの世までは聞こえない、と開き直るべきか。

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