小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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栄光なき変人たち

変人偏屈列伝
 荒木飛呂彦・鬼窪浩久
  集英社文庫



「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木飛呂彦が選んだ変人・偏屈者の6エピソードから成る。

取り上げられたのは次の6人。

タイ・カッブ
      ・・・メジャーリーグ史上、最も偉大かつ最も嫌われた選手
康 芳夫
      ・・・自称「虚業家」
メアリー・マロン
      ・・・「腸チフスのメアリー」と呼ばれた人物
サラ・パーディ・ウィンチェスター
      ・・・館を増築しつづけ、不可思議な間取りの建物を作り上げる
ホーマー&ラングレー・コリヤー
      ・・・元祖ゴミ屋敷&引きこもり兄弟
ニコラ・テスラ
      ・・・エジソンのライバルと呼ばれた男

この人選を見るだけでも荒木飛呂彦らしさが滲み出ている。
それぞれかなりクセのある人物だが、ホーマー&ラングレー・コリヤーにいたっては「何もしていない」のに取り上げているのが面白い。
(ゴミ屋敷、引きこもりの元祖のような兄弟ではある)

荒木飛呂彦自身、変人偏屈列伝にリストアップされてもおかしくない気もする。


この人達の行動の根本にあったものは何だったのだろう。

法を犯したわけではない。
つまるところ、自分の「仕事」に熱心であったにすぎない。
(熱心すぎた、とも言えるが・・・)

周囲の人を困惑させたが、意図的に傷つけようとした事はない。
(自分の「我」を貫き通したために、結果的に傷ついた人はいたが・・・)

誰でも自分を中心に物事を考えてしまうが、多くの人は、その途中で周りとの関係を考え、少しずつ「修正」していく。
それでも「修正」をせずに、そのまま突き進もうとする人はいる。それも少なからずの人が。

そういう人達と本書で取り上げられた人達とは、どこが違うのだろう。

突き進もうとするパワーと方向が、多くの人が許容範囲とする中からはみ出しているだけでしかないような気がする。

彼らの行動の結果は眉をひそめるものが多いが、それでもどこか共感を覚えるのは、程度の差こそあれ、誰にでも同じ事をする要素を持っているからだろうか。
・・・とすると、つい使ってしまう「普通」というのは何だろう?
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