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私をスペース・キャンプに連れてって 

あの瞬間(とき)、ぼくらは宇宙に一番近かった
 マイク・カージェス


著者はアメリカのミシガン州にあるフォレストヒルズ北高校で、障害児学級を担当する教師。
10年近く障害児の教育を担当していたが、「燃え尽き症候群」の兆候を自覚していた。

そんなある日、雑誌に掲載されていた「スペース・キャンプ」の案内を目にする。
「スペース・キャンプ」はNASAが児童・生徒のために行っている一週間の特別プログラム。
宇宙飛行士が実際に受ける訓練を模擬体験するもの。

「秀才」とか「英才」と呼ばれる生徒が対象、と暗にほのめかされているが、著者は「うちの生徒にいいのでは?きっと、みんな気に入る」と考え、周囲への相談もそこそこに突っ走り始める。
オンボロ弱小チームが努力して、トップを目指す類の映画「飛べないアヒル」「クール・ランニング」「メジャーリーグ」等の障害児学級版と言えるかもしれない。

著者が最初に突っ走ってしまったため、周囲との軋轢を生むが、概ね好意的に受け取られる。
さらに、思いもよらなかった援助までも受ける事になる。

ただ、一方で実際にスペース・キャンプに行く生徒達は、チームワークはバラバラ。
学習障害がある生徒がいたり、家庭に問題を抱える生徒もいたりと前途多難どころの話ではないくらい問題が山積み。

反対派の人が懸念したのもまさにこの点であった。が、著者は、練習すれば乗り越えられると楽観的。
実際、生徒達は目をみはるほどの進歩を見せる。そのスピードは著者の想像すら超えるほどだった。

「スペース・キャンプ」に行く事が決まった後、嫉妬から障害児学級の生徒をいじめる生徒がいたり、著者が「スペース・キャンプ」の現場見学のために同僚の女性教師(共に障害児学級の担当)と1週間、学校を留守にすれば、あらぬ噂を流される。
また「スペース・キャンプ」でも、他校の生徒には露骨に悪口を言う者が必ずいた。
一方で、障害児学級の生徒達は悪口を言われても、「自分達の実力」を示したり、ユーモアで切り替えしたりした。

そのような事にウンザリした著者がふと、漏らした一言が重い。
「"障害者"は、一体どちらなのか?」

ただ、救いは障害児学級の生徒達を支えた人々が、それ以上にいた、という点。

「障害がある」事と「能力が低い」事はイコールではない。
この事は本書の中で障害児学級の生徒達が身をもって示してくれた。
それどころか、一位、二位を争うほどの成績を残したのだ。

十分な能力がある事を示せば、障害があろうが、なかろうが受け入れるのはアメリカらしい。
この点は、日本は、なかなか追いつけないか、追いつくことはできないのでは、という気がする。
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カテゴリ: マイク・カージェス

テーマ: 読書感想 - ジャンル: 本・雑誌

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