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もしもし 

はい、こちら国立天文台
 星空の電話相談室
  長沢工
  新潮文庫


著者は国立天文台の広報普及室に勤務していた人。
一般の人からの問い合わせに応える、言わば「電話番」
もちろん、広報は電話応答だけが仕事ではないが、本書では、その電話応答での出来事が中心に語られている。

普段、天文台に電話をかける事はしない(電話をかけた事がある人の方が少ないと思うが)ので、一体、どんな内容の質問があるのかが、まず興味があった。
流星群、日食などの天文現象についてのものや、学校の先生、研究者の問い合わせは想像できるが、それ以外は何があるのだろう。

一番、多いのは「日の出、日の入り」の時刻。(特に初日の出)

「理科年表」に載っている内容なのだが、考えるより前に聞いてしまおう、という感じで聞いてくるらしい。
本書の発行は2005年。ネットが今ほど身近ではなかった頃だが、こういう人は、今でも掃いて捨てるほどいるだろう。

それから、学校の宿題対策なども。
観測の方法やデータの問い合わせなら、まだいいが、「結果」だけを聞こうとする人もいるそうだ。
(それも親が、というケースもあるとか)

こちらの方は読書感想文や論文の「コピペ問題」など、今の方がもっと「悪質」になっている。

少し意外な感じがしたのは、最も回答に困るのが、「マスコミからの天文現象に関する問い合わせ」だという点。
何が困るか、というと「条件がハッキリせず、要領を得ない」から。

例えば、日食ひとつにしても、必ず聞かれるのは
「前回、起きたのはいつか?」
「次に起きるのはいつか?」
という点。

要領を得ない、というのは「日食」が「皆既日食」だけか、「部分日食」も含めるのか、観測できるのが世界のどこでもいいのか、日本から見えるもののみか等、いろいろ条件があるのだが、それらを省略して、質問するケースが非常に多いそうだ。
人に質問する機会の多いマスコミが科学に対して、訓練されていないのか、「同族」であるからアラが目立つのか。
ふとノーベル賞に関連した誤報騒ぎを思い出した。

そして、やはりいる「困った人々」
天文現象は人間の都合で変更できるわけでもないのに、「こうあるべきだ」と演説する人。
中には、天文とは全く関係ないことで電話をかけている人もいるらしい。

こういう人達も相手にしなければならない、広報普及室。
その苦労がしのばれる。
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カテゴリ: 長沢工

テーマ: 読書感想 - ジャンル: 本・雑誌

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