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舌先三寸 

詭弁論理学
 野崎昭弘
  中公新書


本書を買ったのは、今を遡ること10年くらい前。
たしか、その頃、中公新書でも10本の指に入るロングセラー、と聞いていたのを(かすかに)覚えている。
奥付を見てみると、1976年に初版が発売され、今回読んだものは1998年の第41版。

先日、新聞の片隅に中公新書の発行部数ランキングが載っていたが、そのベストテンの中に本書もランクインしていた。
懐かしさとともに、まだ本書を手放していなかったので、久しぶりに読む事にした。

本書は「詭弁を見破る方法」とか「ある程度の詭弁を弄してでも、自分の主張を通すためには」といった内容ではなく、「詭弁の構造を分析して、議論や論理遊びを楽しもう」という趣旨の本。
(著者も言っているが)ハウツー本とは異なるという事を強調したいために、タイトルに「学」という言葉を使ったらしい。

論理学の専門用語は、いくつか出てくるが、その専門用語自体は知らなくても、実例を見れば、その「理屈のこね方」は、どこかで聞いた事がある、というのがほとんど。

人は時に意図せず、時に意図的に詭弁を弄するものらしい。
著者が外国でつり銭を間違えられそうになった例は、落語の「時そば」の変形(悪意はなかったらしいが)
また、本書には出てこない例だが、数年前、自衛隊の海外派遣に関して、国会で「非戦闘地域とは?」という質問に「自衛隊がいる所が非戦闘地域だ」とのたまった某総理大臣もいた。

例を挙げて「詭弁の構造を分析」する段階で、世にはびこる詭弁のパターンをピックアップしているので、「詭弁を見破る方法」の習得には役立つかもしれない。
が、詭弁だと分かる事と、詭弁であることを相手に認めさせる事は別。
本書では、「そういう場合、こう切り返せ」などという事までは書かれていない。

むしろ、詭弁だと見破る事より、間違っている点を指摘する事の方が難しい。
簡単な例ならば、すぐに分かるが、「上級編」とことわっている例だと、間違っている点がなかなか分からなかった。
そうでなくても、自分で考えた場合、「早とちりで、こういう勘違いをする」と紹介されているケース、そのままの結論になってしまう事がたびたび。

たたみかけるように自説を展開する人は疑ってかかるようにした方がいいかもしれない。

ところで、「たたみかけるように自説を展開する人達」は、つい最近、たくさん街頭に立っていた。

今更だが、その人達の「活動」が始まる前に本書を読んでおけば・・・と思った。
たくさんの実例を集めることができただろうから。
いや、これからでもたくさん集められそうだ。
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カテゴリ: 野崎昭弘

テーマ: 読書感想 - ジャンル: 本・雑誌

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