小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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WATARIDORI

渡りの足跡
 梨木香歩


渡り鳥をテーマにしたエッセイ。
北からやってくる冬鳥を訪ねる旅行記でもある。

各章の最後にその章で登場した鳥の説明が載っているが、名前から姿が思い浮かばないと十分に楽しめない部分も一部あるので、図鑑があればそれで、なければネットで鳥の姿を確認しながら読んだ方がいいかもしれない。

例えば、ツメメドリとエトピリカを紹介している部分。
ツノメドリ:
「どうにもこうにも困り果てた、というようなその表情」
「ただひたすら困惑している。まいった、という風によめる」

エトピリカ:
「はっきり迷惑しています、と断言しているようである。だが、積極的に怒っている、というほどではない。」
「こちらでできることがあるなら何かいたしますが、と思わず手を差し伸べたくなるような」

表現だけでも面白いが、写真で姿を確認すると、笑い出してしまいそうになるくらい、この通りだった。

本書は渡り鳥の話が中心であるが、渡り鳥が縁で知り合った人の話もいくつか登場する。
その人との触れ合いを単純に楽しめるものもあるし、重い話も。
このあたり一筋縄ではいかなかった。

話は変わるが、本書を読んでいて、2001年のフランスのドキュメンタリー映画「WATARIDORI」を思い出した。
その中で空を飛んでいる鳥たちは、
「優雅に飛んでいる」
というより
「羽ばたいていないと落ちてしまう」
という感じで飛んでいた。

読んでいる時は、そんな鳥たちの姿が思い浮かんだ。
もう一度、「WATARIDORI」を見てみよう、と思う。

ところで、毎年、渡り鳥を見る度に思うことがある。

白鳥などの大型の鳥ならまだしも、ツグミやツバメのように比較的小さな鳥は、一体、どこに長距離を移動する力を持っているのだろう?
休みなしで一気に飛んでくる訳ではないにせよ、あんな体のどこにそんな力が?
それに、渡りを始める時と、帰る時は何がきっかけになるのだろう?
「ここが目的地」というのは、明確に認識しているのだろうか?

一度でいいから聞いてみたい。

この本の紹介文には
「この鳥たちが話してくれたら、それはきっと人間に負けないくらいの冒険譚になるに違いない」
とあるが、「人間に負けないくらい」どころの話ではないだろう。

今の時期、冬鳥の大半は北へ帰っている。
のんびり組のコガモなら、まだ日本にいるだろう。そして、もう少ししたら、今度はツバメがやってくる。

彼らを見かけたら、肩でも揉んであげようか。



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