小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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もう、どうにも止まらない

たまたま観たアニメ作品が「止まらない」という言葉が共通すると思ったので、その感想を。

「迷宮物語」
 「ラビリンス*ラビリントス 」「走る男」「工事中止命令」の3話から成るオムニバス構成。
 「ラビリンス*ラビリントス 」の主人公の少女が不思議な世界に迷い込んだサーカス小屋で「走る男」「工事中止命令」の2話を見せられる、という形式になっている。

 「ラビリンス*ラビリントス 」(監督、脚本:りんたろう)
  不気味とユーモラスの間(どちらかというとユーモラスに傾いている)の表現が印象的。
  もしかしたら、小さい子供が帰宅を急ぐビジネスマンが歩く街を見上げたら、このように見えるのか、という感じもする。

 「走る男」(監督、脚本、キャラクターデザイン、作画監督:川尻善昭)
  未来のカーレースで、10年間、チャンピオンの座に君臨し続けた男の物語。
  レースの緊張と、勝って当たり前というプレッシャーを受け続けた結果、心も体も壊れてしまった男の末路。
  止まる事ができなくなった男に「勝ち」「負け」以外の道(解説者など?)がある事を教えられる者はいなかったのだろうか。

 「工事中止命令」(監督、脚本、キャラクターデザイン:大友克洋)
  ジャングルの奥地でロボット達が進める工事。人間は現場監督の一人だけ。
  この工事を行っている国でクーデターが発生し、一方的に工事の中止が申し渡される。
  だが、工事中止命令が出たその日に現場監督は失踪。ロボット達は相変わらず工事を続ける。
  そのロボット達を止めるのと、失踪した前任者を探すために派遣された男の物語。

  ブラックユーモア。
  「工事を完成させるため」に生み出されたロボットに「工事中断」を言い渡す事は「死刑宣告」と同じ意味になるのだろうか。
  だとしたら、「工事中断」を認めようとしなかったロボットは、もはや「機械」ではなく、ある意味「人間」になっていたのかもしれない。

「ウインダリア」
 海抜ゼロメートルの国イサ、山の工業国パロ。この2国は、長年、仲はよくないが平穏な関係を築いていた。
 が、パロの国王がイサの侵略を企て、イサの水門を開き、水没を試みる。
 この企ては、サキという村の青年イズーによって、事なきを得るが、イサとパロは、互いに不信感を募らせていく・・・。

 キャラクターだけを見れば、ファンタジーか恋愛モノと思うが、ストーリーは暗い内容。

 感情移入できる人物もあまりいない。

 イズーは気のいい青年だが、いつかヒーローになりたいと思っている、おバカ。
 思っているだけなら害はないが、実際に行動に移してしまう。
 しかも、その行動の結果、どういう事が起きるかも分かっていない。

 物語冒頭の「気のいい青年」という姿と後半以降の荒み具合の落差が激しい。
 ただ、不思議と同情は感じなかった。

 イサの王女アーナスとパロの王子ジルは恋仲で、その関係は「公然の秘密」
 (この「秘密」のために、双方の国の国民は、対立はしても、戦争にまではならないと思っている)

 この2人には、どうにか共感できる部分も、少しはある。
 ・・・と言ってしまうと、この2人には酷かもしれない。

 2国間の緊張が最高に高まった時に、どちらの国もトップが倒れて、急に王にならなければならなかったから。
 それでも、2人のどちらも戦争は望んでない点で、意見は一致していたので、もっと対話の努力をして欲しかった。

 一度、動き出してしまった「流れ」は、どうする事もできないのだろうか。
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