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復讐と私欲 

輝くもの天より墜ち
 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
 浅倉久志(訳)


銀河系辺境の惑星ダミエム。
そこには、昆虫のような美しい種族と、その種族の保護監察官である3人の人間が住んでいた。

普段なら訪れる人もほとんどない惑星。
その惑星ダミエムに13人の観光客がやってくる。
近くの「殺された星」と呼ばれる、爆発した星のもたらす、壮麗な光景を見るために。
だが、その中に・・・。

裏表紙のあらすじの部分にも書いてあるが、著者の別作品「たったひとつの冴えたやりかた」の幕間劇の中で、当作品で描かれる事件についての言及がある。

言ってしまえば、ある特定の場所の中だけで起こるミステリー。

中盤までは、正直、退屈。
ただし、事件が起きてからは、怒涛の展開で、一気に読み進んでしまった。

事件は一つではなく、二つ発生する。
しかも、ほぼ同時に。

ひとつは「復讐」が、もう一つは「私欲」が目的。
「私欲」が目的の方の事件の方が、物語を引っ張るのだが、印象に残るのは「復讐」の方だった。

なぜなら、その「復讐」は筋が通らないから。
復讐者も、その事に気づいていながら、やり場のない怒りの捌け口にしてしまったのだろう。
そして、その「復讐」の結果は、ありがちな結果に終わる。
(つまらない結末、という訳ではなく)

ふと、気になるのは、この復讐劇のそもそもの原因となったモノ。
「魂を貪り食うモノ」らしいが、最後まで、はっきりとした正体は分からない。
が、こういうモノは、人それぞれ、自分の中に飼っているような気もする。
ただ、ほとんどの場合、眠ったままか、実害のないレベルで留まっているのだろうが・・・。
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カテゴリ: ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア

テーマ: 読書感想 - ジャンル: 本・雑誌

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