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連環 

レギュレイターズ
 リチャード・バックマン
  新潮社


オハイオ州の静かな住宅街。
平凡で退屈な一日が、突然の銃声に破られる。

襲撃者は、なんとSFアニメや西部劇の登場人物。
実在しないはずのモノが殺戮を始め、町には、子供の落書きのような生き物が跋扈する、砂漠の町が侵食してくる。

一体、何が起きているのか。
カギを握っているのは、自閉症の少年だった・・・。


「デスペレーション」の分身とも言える作品。
一方が他方の続編、という訳ではなく、登場人物の一部と設定を共有している。

が、登場人物の役回りは、全く異なる。
中には、夫婦だったものが、幼い姉弟という関係になっていたりもする。
手塚治虫のマンガでは、ひとつのキャラクターが、いろいろな役に扮してマンガを演じている(スターシステム)が、小説は文字だけなので、夫婦を幼い姉弟と変えることもできるのが、面白い。

どちらもB級ホラーで「正体不明のモンスターとそれに立ち向かう人々」という点では共通している。
ただ「デスペレーション」を「静」とするなら、本作品は「動」
アクション(特に銃撃)シーン満載である。

どうしても、残酷なシーンの描写はあるが、「デスペレーション」は残酷な場面が終わった「結果」の描写がほとんどなのに対して、本作品の方は生々しい。
かなりマンガ的になっているのは、そのためだろうか。
だが、ラストは救いがあり、爽やかな印象を受けるものとなっている。

あとがきにあるが、「正体不明のモンスター」の最後の捨てゼリフ
「おまえたちをみんな知っている。いずれ、おまえたちをみんなみつけてやる。いずれ、おまえたちを狩りたててやる。」
と叫ぶが、これは「デスペレーション」に返される球らしい。

「デスペレーション」を読んでいれば、ここで「あのことか!」と思い当たる事がある。
(あとがきで、こう書かれていて、初めて気が付いた)

当然、「デスペレーション」も「レギュレイターズ」も、それぞれ独立した作品として楽しめるが、両方を読み比べる楽しみもある。
こういう「仕掛け」を仕込むのもキングらしい、という感じがする。


ところで、本作品の著者はリチャード・バックマン。
本書が発行される前の1985年に病気で死亡している。(本書が刊行されたのは、1996年)

病名は「偽名癌」
・・・キングファンなら、すぐに分かるが、「リチャード・バックマン」はスティーヴン・キングのペンネームである。
キングが小説家デビューした当時、アメリカの出版業界では一人の作家は、年に一冊だけ出版する、という風潮があり、多作の作家は複数のペンネームを持っていたらしい。
キングも多作の作家なので、この「慣例」に従ったそうだ。

なお、「リチャード・バックマン」を殺してしまった後悔からだろうか、その後、1989年に、とある純文学作家が捨てたペンネームが実体を持ち、お互いの存在を賭けて戦う「ダーク・ハーフ」という作品を発表している。
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カテゴリ: リチャード・バックマン

テーマ: 読書感想 - ジャンル: 本・雑誌

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