小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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妖怪てんこ盛り

画図百鬼夜行全画集
 鳥山石燕
  角川ソフィア文庫


三井記念美術館で開催されていた「大妖怪展」を見た後に、ミュージアムショップで衝動買いしたもの。

妖怪画を数多く描いた江戸時代中期の浮世絵師、鳥山石燕の妖怪画集。

鳥山石燕は「画図百鬼夜行」「今昔画図続百鬼」「今昔百鬼拾遺」「百器徒然袋」の4冊を刊行しているが、その全てが収録されている。
言わば「妖怪の紳士録」
ただし、鳥山石燕が創作した妖怪もかなり混ざっているそうだ。

ただ、それぞれの妖怪の解説文は原文そのまま。(現代語訳がついていない)
メインは妖怪画なので、解説は読まない、という手もあるが、やはり描かれている妖怪がどんな妖怪なのかは知りたい。

そのため、ネットで調べながら読んで(見て)いった。
その途中で、正にこの本の解説をしているサイトを見つけたので、それからは非常に分かりやすくなった。
「妖怪うぃき的 妖怪図鑑」(http://www.youkaiwiki.com/)

「画図百鬼夜行」は原文の解説なしで、絵と妖怪の名前のみだが、登場するのは割りとなじみのある妖怪たち。
中には「狸」「獺(かわうそ)」「鼬(てん)」も。
だが、なぜか「狐」はいない。

また「生霊」「死霊」「幽霊」さえ紹介されている。
これらも、妖怪扱いのようだ。

「今昔画図続百鬼」では、解説は付くものの原文のまま。(以降、全て原文の解説は付く)
なんとなく意味が分かる所もあるが、そうでない所も。

ここで面白いのは、まず最初に紹介されるのは「逢魔時(おうまがとき)」
妖怪の紹介ではなく、妖怪が出没する時間帯の事が書かれている。
そして、妖怪の紹介が始まるが、最後は「日の出」で終わる。

当然、「日の出」は妖怪ではない。
「日の出」と共に妖怪が退散するので、最後が「日の出」という事らしい。
「逢魔時(おうまがとき)」から始まり、妖怪が数多く紹介され、それらが「日の出」で退散していく、という作りになっている。

気になったのは「丑時参(うしのときまいり)」と「入内雀(にゅうないすずめ)」

「丑時参(うしのときまいり)」は妖怪ではなく、人間が行う呪いの儀式。
では、なぜこれが紹介されているのか?

解説を読むと「人を失ひ 身をうしなふ」とある。
・・・納得。

そして、もう一つの「入内雀」は、実際に「ニュウナイスズメ」というスズメがいるから。
妖怪のスズメと、実際のスズメ、関係があるのかないのか。
これについては今一つハッキリしなかった。

妖怪画集、第三弾「今昔百鬼拾遺」では昔話で聞いた事がある、というパターンがさらに増えてくる。
が、ここでは、中国の妖怪も数多く含まれるようになってくる。

「百器徒然袋」は「付喪神(つくもがみ)」シリーズ。
「付喪神(つくもがみ)」は、長い年月を経て古くなったり、長く生きた生き物や自然の物に、神や霊魂などが宿ったものの総称である。

そして、この巻の解説は、ほとんどすべて「夢のうちにおもひぬ」で終わる。
つまり「創作」なのだ。

そのため、なじみのある妖怪はいないが、妖怪の名前や姿がマンガ的。
名前で好きだったのは「塵塚怪王(ちりづかかいおう)」と「文車妖妃(ふぐるまようひ)」
前者はゴミ山の付喪神で、後者は文車(様々な本を集めて運搬するもの)に載った書籍が化けた妖怪。

いかにもという感じがする。
積読本が大量にあるので、霊感のない自分でも「文車妖妃(ふぐるまようひ)」になら、会えるかもしれない。

姿が気に入ったのは「琵琶牧々(びわぼくぼく)」「三味長老(しゃみちょうろう)」「瀬戸大将(せとだいしょう)」の御三家。
それぞれ、琵琶、三味線、瀬戸物の妖怪だが、姿を見ると、思わずニヤリとしてしまうほど、ユーモラスな姿をしている。

ところで今の世の中は、妖怪達が跋扈する暗闇が少なくなった、と言われる。
特に道具は、神や霊魂などが宿る間もなく、捨てられるので、付喪神にとっては受難の時代かもしれない。

だが、妖怪達は住む場所を変えた(広げた?)だけの気がする。
新しい棲家は、おそらくネットの世界・・・!?
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