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三角関係 

銃夢(ガンム) Ⅱ [新装版]
 木城ゆきと
  集英社


サイバーパンクSFマンガ。1巻ではアクションが中心だったが、今回はガリィの悲恋物語。

クズ鉄町に住む少年、ユーゴ。
彼はクズ鉄町の上空に浮かぶ都市ザレムに憧れ、懸命に働き続ける。
闇ブローカーの大物ヘクターから「1000万チップ(クズ鉄町の通貨)持ってくれば、ザレムに連れて行ってやる」と言われた話を信じて。

そんな中、ガリィはユーゴに出会う。
そして、いつも空を見上げているような目をしているユーゴに惹かれていく。

が、ガリィの体は機械製。
それも戦闘用の強力な力を持っているもの。
ユーゴは生身の人間。

その違いだけでも、素直に気持ちを伝えられない「壁」となっていた。

さらに、ユーゴには秘密の顔もあった。

クズ鉄町では機械製の体の部品は安く手に入るが、高度な技術が必要な脊椎パーツは常に品薄。
そのため、高価なのだが、そこに目をつけて、脊椎パーツを無理矢理、奪い取る「脊椎強盗」も存在する。

ユーゴは、その脊椎強盗でもあったのだ。

かたや脊椎強盗という犯罪者、かたや犯罪者を狩るハンターウォリアー。
ガリィに恨みを持つハンターウォリアー、ザパンは、ガリィにユーゴを仕留めさせようと暗躍する・・・。


ユーゴがザレムに行きたい、と思うようになったのは、死んだ兄の影響によるものも大きいが、クズ鉄町に対する憎しみの裏返しという面も大きい。
「ザレムに行きたい」とは思っているが、ザレムに行ってどうするかまでは考えていない。

ユーゴのビジネスの才能を見抜いたヘクターが大きな仕事を任せる話をもちかけた際、
「ザレムで乞食でもするのか?」
という言葉に、何も答える事ができなかった事が証明している。

ユーゴの将来を一番、現実的に気にかけていたのは、ヘクターではないか、とさえ思ってしまった。


かつて、ユーゴの兄もザレムに憧れ、禁を破ってザレムに近づこうとしたが、その夢についていけなくなった妻によって、ハンターウォリアーに売られ、命を落としていた。
まるで、三角関係のもつれから殺人事件に発展してしまった話のように。

ザレムに行くための資金を稼ぐユーゴは、まるで、せっせと都市ザレムに貢いでいるようにも感じられる。
そして、ガリィはユーゴを取り戻そうとする恋人という役どころか。
ザレムは文字通り「高嶺の花」
結局、このエピソードは、ある意味、ユーゴとガリィと都市ザレムの「三角関係」なのかもしれない。
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テーマ: 読書感想 - ジャンル: 本・雑誌

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