小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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出会いと別れ

銃夢(ガンム) Ⅵ [新装版]
 木城ゆきと
  集英社


空中都市ザレムへの反乱軍、バージャックのリーダー、電(デン)との戦いが、いよいよ本格的となる中、ガリィにとって、様々な出会いと別れが描かれる。

一番大きいのは、コヨミ、ケイオスと電との出会い。

コヨミはガリィがクズ鉄町に住んでいた頃、なじみのバーのマスターの養女(マスターが拾った捨て子)
当時は赤ん坊だったが、12歳の少女に成長したコヨミと荒野で再会する。
バーのマスターの育て方によるものか、元々の性格であったのか、大人相手に博打で持ち物全て巻き上げたりなど、かなり豪快な性格になっていた。

ケイオスは荒野をさすらいながら、ラジオで「ラジオ・ケイオス」を放送する人物で、ガリィが追うディスティ・ノヴァ教授の息子。
そして、バージャックのリーダー、電(デン)
電はザレムを憎み、破壊した上で、新しい国を作ろうとしている人物。
ザレムを憎む理由は「ザレムのために地上には荒廃と停滞が蔓延しているため」と言っているが、それは「公式」な理由にすぎない。

ザレムは地上から物資を持っていくだけ、持っていって、地上に住んでいる人がどうなろうとお構いなし、というスタンスなので、特に圧制を敷いているわけではない。
(ザレムさえ良ければ、という発想ではあるが)

電がザレムを憎む本当の理由は「自分の怒り」をぶつける対象として、満足(?)できるほどの大きさであったからなのだと思う。
(地上から見える人工の建造物で最大のものがザレム)

ただ、本当の理由はどうあれ、電の言葉は多くの人を動かす「力」を持っていた。

ガリィはザレムの「奴隷」の立場にあるとはいえ、行動の基になっているのは、あくまで「私怨」
それに対し、電は「義憤」

どちらの言葉が人を動かすかは、目に見えている。
そして、その言葉はコヨミを動かす。

コヨミの
「ザレムにいるのが神サマじゃなくて、タダの人間なら!
 こんな世界は変えなきゃいけないんだ!!」
という言葉に、ガリィは一瞬、言葉を失ってしまう。

実際、「ザレムを撃ち落す」という部分以外は、電やコヨミの言う事の方が正しいと思える。

そして、ケイオス。
当初、「中立」という立場をとっていたが、ガリィとの出会いにより、大きく変わる。
ザレムの存在を否定する点では電と同じだが、ザレムとの「和解」を目指す事になる。
ただ、今の時点では、その決意を述べただけ、という状態。
果たして、どのように「和解」を目指すのか・・・。

ちなみに個人的にはジャシュガンに次いで、好きなキャラが電。(ちなみにその次がザパン)
電は、ただ単に過激なだけでなく、冷静な情勢分析もできるし、仲間のために自分を犠牲にすることもためらわない。

一体、どちらが主人公なのか、とふと思ってしまう。
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