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怪奇大作戦風の8エピソード 

はるかなる朝
 星野之宣
  メディア・ファクトリー


星野之宣の短編SF集。
「はるかなる朝」
「荒野への脱出」
「落雷」
「水のアマゾネス」
「ホワイト・アウト」
「冬の帝王」
「イワン・デジャビュの一日」
「アリス」
の8編からなる。
また、最後に本人による解説もある。

この巻では比較的ブラックなエピソードが多い。

個人的には「ホワイト・アウト」「冬の帝王」「アリス」が好みの話。

「ホワイト・アウト」はアムンゼンと南極点到達を争ったスコット隊に起きた奇妙な話。
アムンゼンとの競争に負けた事を知り、失意の帰路についたスコット隊。
が、「ホワイト・アウト」と呼ばれる現象が起こる度にコースから外れ、奇怪な現象を目の当たりにする・・・。

奇怪な現象は現実なのか、極限状況に追い詰められた者が見た幻覚なのか。

本作ではスコットが冷酷な人間として描かれている。
ゴーグルをつけっぱなしなので、表情が分からず、不気味。
言動からすると、正気を失っている、ともとれる。

自然の猛威(とそれに伴う奇怪な現象)とスコットの冷酷さの二重の恐怖がジワジワとくる。

「冬の帝王」はロシア王朝末期の秘話という設定。
歴代のロシア皇帝達の申し送り事項「氷の中の竜」

氷漬けで死んでいるはずなのだが、それを目にした者達に「竜」は語りかける。
正確には「語りかける」というより、「取引」を持ちかけるのだが、その内容は、この「竜」の名にふさわしい、恐ろしい内容。

この「竜」の名は「暴君竜」という漢字が使われるティラノサウルス。
漢字の名前が本作のミソ。

「アリス」は、人間の脳を巡るミステリー。
平凡なOLのアリスの身に異常が起きる。
突然、幼児のようなわがままな行動を取ったり、目の前に「不思議の国のアリス」の登場人物たちが現れたりなど。

その謎を握るのは、過去の事件と、その時、治療にあたった医師だった・・・。

人間の脳の「力」を考えると、もしかしたらありそう、と思えてくるのは、作者の「勝ち」だろう。
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カテゴリ: 星野之宣

テーマ: 読書感想 - ジャンル: 本・雑誌

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