小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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恐いけれど・・・、恐くない!

「まんがで読破 白鯨」  原作 メルヴィル
    イースト・プレス   

タイトルだけなら一度は聞いた事があるであろう本。

すぐに読めそうなので、手に取ってみた。
このシリーズは、「葉隠」「ユリシーズ」「水滸伝」
などの古典から「蟹工船」「罪と罰」「人間失格」
などの近現代の作品まで様々。
「わが闘争」なんてあるが、いいのだろうか・・・。

「白鯨」と「ツァラトゥストラはかく語りき」だけ
読んだが、(どちらも元の方を読んだわけではないが)
短時間で一気に読めるので、入門編としては、手頃
だと思う。

ただ、原作の内容をどの程度まで伝えているかが気に
なってしまう。
(そういう人は改めて原作を読め、というだけの事
 だが…)


新米捕鯨船員である主人公のイシュメルが乗った船は、
かつて白鯨に片足を奪われた事がきっかけで、復讐に
燃えるエイハブ船長の船だった。

少々、偏屈なだけだと思っていたエイハブ船長だが、
次第に白鯨に対する異常な執着心が明らかになってくる。

出航後、初めての漁の後、船員達にねぎらいの言葉
一つかけることもしない。
船員の一人が事故で死亡しても、あまり気にしない。

それどころか、銛打ちを集めて、白鯨への呪いの儀式
めいたことさえやり始める始末・・・。

そして、白鯨にやられた、という船と出会った時、
行方不明の船員を一緒に探して欲しい、という依頼を
断り、白鯨との対決を優先させてしまう。


おそらく、船長のこの執着心は「白鯨への恐怖」から
きているのだろう。

船長の腹心の部下であるスターバックはイシュメルに
「恐怖を知らぬ者は、ただの愚か者だ。恐怖を知るから
 克服できるのだ。恐怖から目をそらすな」
と語る。

エイハブ船長もこんな事は、百も承知で、実際に
たくさんの恐怖を克服してきたに違いない。
だが、「白鯨」という、これまでとは比べものに
ならないくらい巨大な恐怖と対峙した時、目をそらして
しまったのだろう。

ベテランの船乗りとしての本能がそれにやましさを感じ、
プライドが自分自身にその事を認めるのをジャマした結果、
「恐怖」の元凶である白鯨を葬り去ることにより帳消しに
しようと考えたのだろう。

イシュメルの場合は、新米ということもあり、「恐いか?」
と聞かれたら、迷わず「恐い」と言うことができた。

エイハブ船長も「恐い」と言える相手がいたら、または
自分が「恐怖」を感じ、目をそらした事を認める事が
できていたら、違う結末になっていたと思う。

何気なく、手に取ったマンガだが、小説の方が気に
なってきた。
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