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論述力を鍛えよう 

論理的に考え、書く力
 芳沢光雄
  光文社新書


タイトルの最後に「力」が付く本(特に新書)は読むまい、と思っていた。
が、本の感想を書いている身にとって、こういうタイトルの本は非常に気になってしまう。
(その他に「分かりやすい文章術」とかいうタイトルにも弱い)

ただ、本書では教育と入試のあるべき姿を論じるのが主。
「論理的に考え、書く」ためのハウツー本ではない。
(最後の章に"ヒント"ならあるが)

著者の専門は数学なので、少なくとも数学の入試はマークシートではなく、記述式試験を導入すべし、という主張している。
マークシート方式では「答えを当てる」事ができてしまい、その「答えに至る経緯」が、ほぼ無視されてしまうためだ。

「筋道を立てて考える」事より、最終的な「答え」だけが当たっていればよし、としてよいのだろうか?
著者は今のマークシート方式の試験では、「論述力」が軽視されていると危機意識を持っている。

会社で仕事をするようになって、つくづく思い知ったのは「論理的思考」「筋道を立てて考える」事の重要さ。
まさに数学の考え方。

「論述力」が低いままだと、顧客はおろか、社内の人間でさえ説得する事はできない。
会社に入っても、新人ならば、まだギリギリ相手も許してくれるだろうが、年次が上がっても、論述力が低いままだと目も当てられない。

自分は入試の際、数学は苦手で、私立の文系大学を受験することにして、数学とは縁が切れた。
が、「数独(またはナンバープレース)」「論理パズル」が好きだったので、それが「論理的思考」の多少の訓練にはなっていたようだ。
今にして思えば、自己啓発本などを読むより、はるかに役に立ったように思う。

以来、新人に「何か読んだり、やっておいた事がいいものはありますか?」と聞かれたら、「数独」と「論理パズル」を勧めている。
本当にやったかどうか、追跡調査を行った事はないが・・・。

ところで数学を面白い、と感じられるようになったのは、会社に入ってから。
おそらく「テスト」を受ける必要がない、という「安心感」があるからだろう。

 :
閑話休題
 :

本書の中で、仏教用語の「三慧(さんえ)」の解説をしている部分が印象深かった。

「三慧」とは「聞慧(もんえ)、思慧(しえ)、修慧(しゅうえ)」のこと。
「聞慧」:聞いた事や、書いてある事を事実として知ること。
「思慧」:聞慧として身に付いた物事に関して、それらの間の繋がりを組み立てたり、それらの背景を理解したりするように、自分で考える事ができること。
「修慧」:思慧として身に付いた物事に関して、きちんと説明できるように書いたり、応用して実践する事ができること。

学生ならば「思慧」でも、よいだろう。だが、教える側に立つのであれば、「修慧」まで必要であろう、という事が書かれている。

「自分は「修慧」の段階まで至っている!」
と言いきりたい所だが、「思慧」止まりで、「修慧」まで至っているものはどれだけあるだろうか、と冷や汗も出た。
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カテゴリ: 芳沢光雄

テーマ: 読書感想 - ジャンル: 本・雑誌

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