小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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繰り返し

震災画報
 宮武外骨
  ちくま学芸文庫


震災関連本を読む、という個人キャンペーン第3弾。
ただし、今回は震災は震災でも、「関東大震災」

ジャーナリスト宮武外骨による被災した市井の人々の様子を伝える雑誌。

関東大震災が起きたのが、1923年(大正12年)9月1日。
そして、震災画報の第一冊が発行されたのが、9月25日。
以降、
第二冊:10月10日
第三冊:11月5日
第四冊:12月25日
第五冊:1月15日
第六冊:1月25日
に発行されている。

ところどころ、政府機関の復興に対する遅れを叩きつつも、大部分は被災した一般の人々の様子を伝える記事。
(特に変わった話を集めているそうだが)

予想通りではあるが、関東大震災の後に起きた事と、東日本大震災後に起きた事とでは、あまり大差ない。
混乱、デマ、便乗詐欺・・・。

悪名高い「朝鮮人暴動」のデマのような話がなかっただけ、よしとするしかないのか・・・。

ちなみに「朝鮮人暴動」については、本書にも何度も登場する。
自警団が誰何しても答えない者は朝鮮人、姓名がそれっぽければ朝鮮人、訛りがあれば朝鮮人、顔つきがそれっぽければ朝鮮人、挙句の果ては、手にビール瓶か箱を持っていたら、毒薬か爆薬を持っているだろうと因縁をつけていたそうだ。
しかもこのデマの広がりに一役買ったのは「公的機関」だったらしい。

平時に非常時の事を非難してもはじまらない、とは分かっているが、デマの恐ろしさが垣間見える。

なお、著者は震災画報第六冊で、朝鮮人を殺傷した自警団の人々は捕まえても、自警団の人々を誤らせた自分達の「罪」にはだまっている、という事を「官僚軍閥の大失態」と厳しく糾弾している。

ところで、一番、印象に残ったのは「解説」の部分にあった、次の一文。
"よく「災害は忘れた頃にやってくる」と言われるが、災害の体験を語る人がいなくなった時が、まさに「忘れた頃」という意味だ。"(要約)
(脱線だが「災害」を「戦争」に置き換えても、この言葉、そのまま使える)

東日本大震災の記憶もすでに風化が始まっている、というのが実態だが、「忘れた頃」に、また泡を食う事になるのだろうか・・・。
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