小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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振り返れば奴がいる・・・か?

サードマン  奇跡の生還へ導く人
  ジョン・ガイガー
  伊豆原弓 訳
    新潮文庫


「サードマン現象」
山での遭難、海難事故、災害などで極限状況に追い込まれた人が、しばしば体験する現象。
いるはずのない第三者の幻覚(存在するという感覚だけ、または声だけの時も)が現れ、奇跡の生還に導いてくれる、という。

ただ、サードマンが現れたとしても、必ず助かる訳ではない。
なぜなら、生きて帰ってきた人からは、サードマンの話を聞けるが、死んでしまった人からは話は聞けないから。
つまり、証言は生還した側に偏っているのだ。

オカルト信者なら、即、神サマ(もしくは、それに近い存在)のおかげ、という説明にするだろう。
が、著者は、そのような主張とは、あくまで一線を画す。

生き抜こうとする強い意志や、外的要因(ストレス、酸素不足、低体温など)が組み合わさった結果、自分の脳がサードマンを作り出しているのではないか、というのが基本的なスタンス。
(ただし、本書では原因の特定までは至っていないが・・・。)

それを裏付けるように、(少なくとも本書で紹介されている事例では)サードマンは物理的に助ける事はしないし、話したとしても、「頑張れ」など、励ましの言葉をかけるだけ。
稀に具体的な指示をする例もあるが、後から考えれば、その内容は当事者が知っている事であったりする。

本書で紹介されている事例は、ほとんどが「ただ、そこにいる」だけ。
当事者の方が勝手に「救済者」「守護者」と思い込んでいるだけなのだ。

それだけの事。

それだけの事にも関わらず、人間は
「自分は一人ではない、という感覚」

「自分以上の存在が見守っている感覚」
がある、というだけで、「生きる力」を取り戻すことができる。

一種の「偽薬効果」と言ってもいいかもしれない。
脳にそんな仕組みがある、というのも驚きだが、人間にとって「社会性」が、これほどまでに重要だ、という事にも驚く。

ただ、なによりサードマンが出てくるような状況とは無縁でいたい。

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