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ペットをめぐる「闇」 

どうぶつたちへのレクイエム
 児玉小枝
  桜桃書房


保健所で殺処分された犬や猫たちの「遺影」

写真が全て白黒のため、もともと重い印象を受ける上に、殺処分「された」犬、猫たちの姿である事を思うと、さらにズシリ、と「重さ」を感じる。
なにより、犬、猫たちの悲しそうな目がつきささる。

いっそ、人間を憎む目つきで睨みつけてくれた方が、まだ写真を見るのが楽だったかもしれない。

1995年度時点で殺処分された犬は41万4506匹、猫は30万7626匹。
(ちなみに本書は2000年に刊行されている。)

その後、殺処分は減り、譲渡数が増える方向に向かっているが、それでも、2012年で犬は3万8000匹、猫は12万3400匹が殺処分されている。
(環境省自然環境局 総務課 動物愛護管理室 HPより
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html)

殺処分に関しては、俄か知識しかないが、問題は殺処分というシステムそのものではないらしい。

ペットショップに行けば、簡単にペットを買える一方で、飼いきれなくなった場合、あまりに簡単に保健所に持ち込む事ができる。
(制度上、保健所はペットの引き取りを拒む事ができないので、保健所を責めるのは、お門違い。)

手に入れる時も簡単ならば、捨てる時も簡単。
捨てる人にも、いろいろ事情はあるだろうが、あまりに簡単に保健所行き(=殺処分)を選んでないだろうか。

ただ、それ以上に殺される犬猫がいる一方で、人気の種類を「供給」する体制が存在するのと、飼えるか、ろくに検討しないままに求める「需要」があるのが問題のようだ。
こうなると、どちらから手をつければいいのか分からなくなる。

殺処分を減らせる制度を整えていく、と同時に、需要側への地道な啓蒙活動くらいしか無いのだろうか。

啓蒙活動と言えば、テレビでは、ペットの「かわいさ」を強調する番組はあるが、殺処分のような問題を見せるようなものは、ほとんど見ない。
視聴率が取れないからだろうが、ペットの良さを強調するなら、その「闇」も晒すのが、本来の役目ではないか、と思う。
ちなみに、ペットの雑誌など、映像メディア以外は、どんな状態なのだろう。

よく言われる言葉だが、正にその通りだと思う。
「ダメな犬(猫、その他ペット)はいない。
 ダメな飼い主がいるだけだ。」
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カテゴリ: 児玉小枝

テーマ: 読書感想 - ジャンル: 本・雑誌

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