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妻をたずねて三千里 


日の鳥
 こうの史代
  日本文芸社


行方不明になった妻を探し、東日本(というか東北地方)を訪ね歩く一羽の雄鶏。
なんとなく妻がいる気がしたから、というのと、雄鶏の本能として、どうしても"東"に惹かれてしまうらしい。

・・・という体で、著者が訪れた東日本大震災の被災地の様子がイラストで描かれる。
震災から五ヵ月後の釜石・大槌から始まり、二年半後の鹿角・盛岡まで。(一部、東京も)

震災の傷跡も生々しいイラストもあるが、雄鶏のとぼけたモノローグで、オブラートに包まれている。
ニュースで数多く報道された光景もあるが、著者らしく、ほとんどは日常の風景。

月日が経つに従って、「傷跡」のイラストは少なくなっていくが、それは、復興が進んでいるからというという訳ではない。
震災から2年後の仮設住宅のイラストがあるが、なんとなく「住み慣れた」感が感じられてしまう。
そして、今も仮設住宅に住んでいる人は、まだまだいる、という事実。

「復興は終わってなどいない」
という事を、あらためて思い知らされる。

ちなみに、雄鶏の妻の人柄・・・いや鳥柄、同音異義語に問題があるので、「為人(ひととなり)」ならぬ「為鳥(とりとなり)」は・・・。
「そのむかし
 夜空を走る鉄道を見た人がいたという
 列車には亡くなった者を乗せているという

 妻を思うと胸が騒ぐ

 妻が、もしかしたら妻が・・・

 たたき落としたりしないかと・・・」

その他、デコボコになった歩道や、曲がった鉄柱を見る度に、妻の仕業かと心配したりするので、かなりの「武闘派」らしい。
再会できない方がいいのではないか、という気さえする。
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カテゴリ: 未分類

テーマ: 読書感想 - ジャンル: 本・雑誌

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