小人閑居

「ベストセラー」より「知る人ぞ知る」といった本を紹介していきたいと思います。

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逢魔時

「ライディング・ザ・ブレット」
  スティーブン・キング  アーティストハウス


スティーブン・キングの短編集に収録されていなかった
短編。
アメリカでは、電子書籍の形でのみ存在する作品だが、
日本ではなぜか、独立した本として出版されている。

主人公は、故郷から離れた所の大学で学んでいる学生。
ある時、母親が脳卒中で倒れた、という電話を受けて、
とるものもとりあえず、故郷に戻る事になった。

だが生憎、愛車は故障中。ヒッチハイクで行くしかない。
そして、何台目かに乗せてくれた車の運転手には何か
違和感を感じる。

それもそのはず。運転手は死人だったから。
そして死人は主人公に選択を迫る。
「次の街に着くまでに、おまえか、おまえの母親の
 どちらを連れて行くか選べ。
 答えられなかったら、2人とも連れて行く」


「黄昏」の語源を調べてみると、古くは「たそかれ」
と言っていたらしい。
薄暗くなってくると人の顔が見分けづらくなり、
「誰ぞ彼(たそかれ)」と聞いて、相手を確かめたこと
から夕暮れ時を意味する言葉となった、と書いてある。

日本では、黄昏時は人ならざるものも姿を現す時間帯と
いう発想があるが、アメリカでも似たように考えるようだ。

死人の運転手はこう言う。
「おれみたいな連中はちょくちょく顔を出している。
 -きちんと舞台装置が整っている時にな」

日本の妖怪やオバケをよく考えてみると黄昏時に出てくる
ものは、そんなに力を持っていないような気がする。

この死人の運転手も実のところ、使い走りにすぎない。
自分の親分(いるかいないか不明だが)がどんなものか
知らないし、連れていった生者が最終的にどこに行くのか
も分かっていない。

なんだか本筋にあまり関係ないところに考えが行って
しまった。
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たそかれ

こんばんは。
黄昏時のことを「おおまがどき」と呼ぶことがありますね。
これは、
「大禍時」と書くこともあれば、
「逢う魔ヶ時」と書くこともあるそうです。

昼なのか夜なのかはっきりしないとき。
人かと思って声をかけたら、その人はモシカシテ...。

不思議なときには不思議な物語を生み出す力があるのですね^^

Re: たそかれ

> こんばんは。
> 黄昏時のことを「おおまがどき」と呼ぶことがありますね。
> これは、
> 「大禍時」と書くこともあれば、
> 「逢う魔ヶ時」と書くこともあるそうです。
>
> 昼なのか夜なのかはっきりしないとき。
> 人かと思って声をかけたら、その人はモシカシテ...。
>
> 不思議なときには不思議な物語を生み出す力があるのですね^^

あがささん、こんにちは

「逢う魔ヶ時」とも書くのは知っていましたが「大禍時」は
知りませんでした。

死人の運転手が迫った「選択」は怖いと思いましたが、
「おれみたいな連中は、ちょくちょく顔を出している」
という言葉も印象的でした。

スティーブン・キングに言わせると、死者は乗り物を
疾駆させるらしいので、黄昏時に猛スピードで飛ばし
ている人の中には、いるかもしれませんね。

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